学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §12 疾患別各論 骨端症 / QJ27P062

理由で解く 柔道整復師

QJ27P062 整形外科学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問62
問題
つま先歩き跛行になるのはどれか。
選択肢
1 フライバーグ (Freiberg)病
2 ブラント(Blount)病
3 ケーラー(Köhler)病
4 セーバー(Sever)病
解答
正解4(セーバー(Sever)病)
解説

セーバー病は踵骨の骨端症で、踵に体重をかけると痛むため踵を接地しないで歩く。その結果つま先立ちのような歩き方、つまりつま先歩き跛行になる。正答は4。

成長期の骨端症・骨突起症は、痛む場所が歩行周期のどの相にあたるかを考えると跛行の型がそのまま導ける。踵が痛ければ踵接地を避けてつま先で着く(つま先歩き)、前足部が痛ければ蹴り出しを避けて踵寄りに体重をかける、足の内側縦アーチが痛ければ足の外側縁に体重を移して歩く、という具合である。骨端症は成長軟骨や骨端核に阻血や腱による反復牽引が加わって起こり、多くは成長の終了とともに軽快する。したがって対応の中心は完全な安静ではなく、活動量の調整、原因となる牽引を減らすストレッチ、荷重のかかり方を助ける装具やパッドである。

✓ 4. 正しい
セーバー(Sever)病
踵骨隆起の骨端核に起こる骨端症(踵骨骨端症)で、8〜12歳前後のスポーツをする児、とくに男児に多い。アキレス腱と足底腱膜が付着する部位が繰り返し牽引されて踵の後方が痛み、踵をついたときに痛みが強く出る。そのため患児は踵を接地せず足尖で着地して歩くようになり、これがつま先歩き跛行(尖足位歩行)である。対応は運動量の調整、下腿三頭筋とアキレス腱・足底腱膜のストレッチ、踵パッドやヒールカップで衝撃を和らげることで、成長終了とともに軽快する予後良好な病態である。
✗ 1. 誤り
フライバーグ (Freiberg)病
第2ケーラー病とも呼ばれ、第2(ときに第3)中足骨頭に起こる骨端症である。思春期の女子に多く、前足部の腫脹と中足骨頭の圧痛、MTP関節の可動域制限を示す。痛むのは蹴り出しの相なので、前足部への荷重を避けて踵寄りに体重をかける歩き方になる。つま先歩きはむしろ前足部に荷重を集中させるため、患者が避ける動きにあたる。
✗ 2. 誤り
ブラント(Blount)病
脛骨近位内側の骨端線(成長板)の成長障害により脛骨が内反する疾患である。国内の教材では骨端症の一覧に並べられることもあるが、いずれにせよ問題になるのは足部の痛みではなく下腿の変形で、みられるのは内反膝(O脚)と歩行時の膝の側方動揺による跛行である。足関節を尖足位に保つ理由がないため、つま先歩きにはならない。乳幼児期の生理的O脚との鑑別が要点で、変形の進行があれば装具や骨切り術が検討される。
✗ 3. 誤り
ケーラー(Köhler)病
第1ケーラー病は足舟状骨の骨端症で、3〜7歳の男児に多い。足背内側の舟状骨部に腫脹と圧痛があり、内側縦アーチへの荷重を避けるため足の外側縁に体重をかけて歩く、外側荷重の跛行を示す。数か月から数年の経過で骨核は自然に修復されるため、足底挿板などで荷重を調整しながら経過をみる。
ポイント
  • セーバー病=踵骨骨端症。踵が痛い→踵をつけない→つま先歩き跛行、と機序でつなぐ。
  • 痛む部位から跛行の型を導く:踵→つま先歩き、前足部→踵寄り荷重、足内側→足の外側縁で歩く。
  • ケーラー病=足舟状骨(3〜7歳男児)、フライバーグ病=第2中足骨頭(思春期女子)と、部位と好発で対にする。
  • ブラント病=脛骨近位内側の成長障害による内反膝。跛行は変形と膝の側方動揺によるもの。
  • 骨端症の多くは成長終了とともに軽快する。完全安静よりも活動量の調整・ストレッチ・荷重の工夫で対応する。
比較表
疾患障害部位好発歩き方・跛行
セーバー病踵骨隆起の骨端核(アキレス腱・足底腱膜付着部)8〜12歳、活動的な男児踵を接地せずつま先で着く=つま先歩き跛行
ケーラー病(第1)足舟状骨3〜7歳の男児足の外側縁に荷重して歩く
フライバーグ病(第2ケーラー病)第2(第3)中足骨頭思春期の女子蹴り出しで痛み、前足部を避けて踵寄りに荷重
ブラント病脛骨近位内側の骨端線(成長板)幼児期・思春期内反膝と膝の側方動揺による跛行
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