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理由で解く 柔道整復師

QJ31P043 一般臨床医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問43
問題
熱中症の治療で補給するのに適切なのはどれか。
選択肢
1 塩分のみ
2 水分と塩分
3 糖分のみ
4 水分と糖分
解答
正解2(水分と塩分)
解説

汗では水とナトリウムの両方が失われます。水だけを補うと血液が薄まってかえって悪化するため、水分と塩分をあわせて補給します。正答は2です。

熱中症は暑熱環境で体温調節が破綻した状態の総称で、大量の発汗により体液量とナトリウムが同時に減ります。ここで真水やお茶だけを飲むと血漿浸透圧が下がり、口渇が消えて自分から飲むのをやめてしまいます(自発的脱水)。さらに低ナトリウム血症が進むと、こむら返り(熱けいれん)や頭痛・嘔吐・意識障害を招くため、水分と塩分の両方が要ります。意識があり自力で飲めるなら、涼しい場所へ移し、衣服をゆるめ、頸部・腋窩・鼠径部を冷やしながら、0.1〜0.2%程度の食塩水や経口補水液を少しずつとらせます。糖分は水とナトリウムの腸管吸収を助けエネルギー源にもなるので、経口補水液のようにナトリウムと一緒に含まれる形なら有用です。意識がはっきりしない、受け答えがおかしい、自分で飲めない、けいれんがある、冷やしても体温が下がらないといった場合は、その場で冷却を続けながら直ちに救急要請してください。

✓ 2. 正しい
水分と塩分
失われたものをそのまま補う組合せです。ナトリウムを含むことで水が体内に保持され、低ナトリウム血症と自発的脱水を同時に防げます。
✗ 1. 誤り
塩分のみ
減った体液量が戻りません。血漿浸透圧が上がって口渇と循環不全が続き、かえって脱水が悪化します。
✗ 3. 誤り
糖分のみ
失われた水もナトリウムも補えません。エネルギー補給にはなりますが、脱水と電解質異常の是正にはなりません。
✗ 4. 誤り
水分と糖分
水は入りますがナトリウムが欠けるため、低ナトリウム血症と自発的脱水を招きます。糖分はナトリウムと一緒に含まれてこそ吸収を助ける役割を果たします。
ポイント
  • 発汗で失われるのは水とナトリウムの両方。補うのも両方が原則。
  • 水だけを飲むと血漿浸透圧が下がり、口渇が消えて飲水をやめる自発的脱水低ナトリウム血症を招く。
  • 現場の対応は涼所への移動・衣服をゆるめる・頸部/腋窩/鼠径部の冷却・経口補水をセットで。
  • 目安は0.1〜0.2%の食塩水や経口補水液。糖分はナトリウムと一緒なら水・Naの吸収を助ける。
  • 意識障害・自力で飲めない・けいれん・冷やしても体温が下がらない場合は、冷却を続けながら直ちに救急要請する。
比較表
補給の内容体液量血中ナトリウム結果
水分+塩分回復する保たれる適切
塩分のみ戻らない上がる口渇と循環不全が続く
水分のみ・水分+糖分一時的に増える下がる自発的脱水、熱けいれん
糖分のみ戻らない戻らない脱水も電解質異常も是正されない
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