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理由で解く 柔道整復師

QJ30P043 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問43
問題
梅毒の症状で正しいのはどれか。
選択肢
1 子宮頸管炎
2 尿道分泌物
3 免疫不全
4 ゴム腫
解答
正解4(ゴム腫)
解説

ゴム腫は梅毒の第3期にみられる肉芽腫性の病変です。梅毒は病期ごとに症状が変わるので、時間軸で整理すると覚えやすくなります。

梅毒は梅毒トレポネーマによる性感染症で、無症状の期間をはさみながら病期が進みます。感染から約3週間の第1期では、侵入部位に痛みを伴わない硬いしこりや潰瘍(初期硬結・硬性下疳)と、無痛性の鼠径リンパ節腫脹が現れ、放置しても自然に消えます。約3か月後の第2期には病原体が全身に広がり、体幹の梅毒性バラ疹、手掌・足底の紅斑、扁平コンジローマ、梅毒性脱毛などが出ます。数年を経た第3期になると、皮下や骨、内臓にゴム腫とよばれるゴム様に弾力のある肉芽腫を形成し、周囲組織を破壊します。さらに進むと神経梅毒(脊髄癆、進行麻痺)や心血管梅毒(大動脈瘤)に至ります。現在は早期に抗菌薬治療が行われるため第3期以降は少なくなっていますが、皮膚に治りにくい潰瘍や結節をみたときに想起できることが大切です。

✓ 4. 正しい
ゴム腫
第3期梅毒でみられる、ゴム様の弾力をもつ肉芽腫性病変です。皮膚・皮下・骨・内臓に生じ、周囲組織を破壊します。梅毒に特徴的な所見です。
✗ 1. 誤り
子宮頸管炎
クラミジアや淋菌による性感染症の代表的な病像です。梅毒の病期を通じた特徴的症状ではありません。
✗ 2. 誤り
尿道分泌物
膿性の尿道分泌物は淋菌性尿道炎、漿液性の分泌物はクラミジア性尿道炎で典型的です。梅毒の第1期は無痛性の硬性下疳が主体で、分泌物は特徴になりません。
✗ 3. 誤り
免疫不全
免疫不全はHIV感染症でCD4陽性T細胞が減少して起こる病態です。梅毒はHIVと重複感染しやすいものの、梅毒そのものの症状ではありません。
ポイント
  • 梅毒は病期で覚える。第1期=硬性下疳・無痛性鼠径リンパ節腫脹、第2期=バラ疹・扁平コンジローマ・手掌足底の紅斑、第3期=ゴム腫、第4期=神経梅毒・心血管梅毒。
  • ゴム腫はゴム様の弾力をもつ肉芽腫で、皮膚・骨・内臓を破壊する。第3期の代表所見。
  • 第1期の潰瘍は痛みがなく自然に消えるため、受診が遅れやすい。無症状期があることも押さえる。
  • 他の性感染症との区別:淋菌・クラミジア=尿道炎や子宮頸管炎、HIV=免疫不全。
  • 治りにくい皮膚潰瘍や結節をみたら自己判断せず、皮膚科・泌尿器科など医療機関の受診を勧める。処置時は標準予防策を徹底する。
比較表
疾患病原体特徴的な症状
梅毒梅毒トレポネーマ硬性下疳、バラ疹、ゴム腫、神経梅毒
淋菌感染症淋菌膿性の尿道分泌物、子宮頸管炎
性器クラミジア感染症クラミジア・トラコマチス軽い尿道炎、子宮頸管炎(無症状も多い)
HIV感染症/AIDSヒト免疫不全ウイルスCD4減少による免疫不全、日和見感染
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