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理由で解く 柔道整復師

QJ31P027 一般臨床医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問27
問題
舞踏運動がみられるのはどれか。
選択肢
1 肝硬変
2 バセドウ (Basedow)病
3 パーキンソン(Parkinson)病
4 ハンチントン(Huntington)病
解答
正解4(ハンチントン(Huntington)病)
解説

舞踏運動は大脳基底核のうち線条体(尾状核・被殻)の障害で生じる不随意運動で、代表疾患はハンチントン病である。正答は4。

舞踏運動とは、四肢や顔面が踊るように速く不規則に動き、本人の意思で止められない不随意運動をいう。ハンチントン病では第4染色体上のHTT遺伝子のCAGリピートが伸長し、線条体の抑制性神経細胞が選択的に脱落する。その結果、基底核の間接路による「運動にブレーキをかける」働きが失われ、視床が脱抑制されて運動が過剰に出力される。常染色体顕性(優性)遺伝で中年期に発症し、舞踏運動に加えて易怒性などの精神症状と認知機能低下が進行するのが特徴である。不随意運動の問題は「どの運動が、どの疾患・どの部位か」を一対一で結びつけておくと確実に得点できる。

✓ 4. 正しい
ハンチントン(Huntington)病
線条体の変性により間接路が破綻し、抑えの効かない舞踏運動が出現する。家族歴の聴取と、性格変化・認知機能低下の有無をあわせて確認し、神経内科での遺伝学的検査・画像評価(尾状核頭部の萎縮による側脳室前角の拡大)につなげる。
✗ 1. 誤り
肝硬変
肝硬変が進行して肝性脳症をきたすと、手関節を背屈位に保たせたときに姿勢保持が瞬間的に途切れる羽ばたき振戦(asterixis)がみられる。血中アンモニアの上昇を伴う代謝性の所見であり、持続的に動き続ける舞踏運動とは異なる。
✗ 2. 誤り
バセドウ (Basedow)病
甲状腺ホルモン過剰により交感神経緊張が高まり、手指を伸展させたときの細かく速い振戦(微細振戦)が生じる。頻脈・発汗過多・体重減少・眼球突出などを伴う。振戦であって舞踏運動ではない。
✗ 3. 誤り
パーキンソン(Parkinson)病
黒質緻密部のドパミン神経が変性し、運動が「減る」側に傾く疾患である。安静時振戦・筋強剛(固縮)・無動/寡動・姿勢反射障害の四徴が中心で、小刻み歩行や仮面様顔貌がみられる。運動が過剰に出る舞踏運動とは方向が逆と整理する。
ポイント
  • 舞踏運動=線条体(尾状核・被殻)の障害。代表はハンチントン病。
  • ハンチントン病=HTT遺伝子のCAGリピート伸長、常染色体顕性(優性)遺伝、中年発症。舞踏運動+精神症状+認知症。
  • 羽ばたき振戦=肝性脳症(肝硬変)、微細振戦=甲状腺機能亢進症(バセドウ病)。
  • 安静時振戦・筋強剛・無動・姿勢反射障害=パーキンソン病(黒質の障害)。
  • 不随意運動は「運動が増える型(舞踏・バリズム・振戦)」と「減る型(無動)」に大別すると混乱しない。
比較表
疾患特徴的な運動症状主な障害部位・機序
ハンチントン病舞踏運動線条体(尾状核・被殻)の変性、CAGリピート伸長
パーキンソン病安静時振戦・筋強剛・無動黒質緻密部のドパミン神経変性
肝硬変(肝性脳症)羽ばたき振戦アンモニアなどによる代謝性脳症
バセドウ病手指の微細振戦甲状腺ホルモン過剰・交感神経緊張
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