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理由で解く 柔道整復師

QJ31P026 一般臨床医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問26
問題
マン・ウェルニッケ姿勢を呈するのはどれか。
選択肢
1 パーキンソン(Parkinson)病
2 特発性側弯
3 脳血管障害
4 くる病
解答
正解3(脳血管障害)
解説

マン・ウェルニッケ(Wernicke-Mann)姿勢は片麻痺に特有の肢位で、脳卒中後の代表的な後遺症です。原因は脳血管障害になります。

一側の錐体路(上位運動ニューロン)が障害されると、麻痺側では上肢は屈筋群、下肢は伸筋群の痙縮が優位になります。その結果、上肢は肩内転・肘屈曲・前腕回内・手指屈曲、下肢は股関節と膝関節の伸展、足関節底屈・内反という決まった形に固定されます。「上は曲がり、下は伸びる」と覚えると迷いません。伸びた下肢は振り出すときに床につかえるため、外側へ半円を描くように回して出す分回し歩行(ぶん回し歩行)となります。この痙縮パターンを作る一側性の錐体路障害として最も多いのが、脳梗塞・脳出血などの脳血管障害です。

✗ 1. 誤り
パーキンソン(Parkinson)病
黒質のドパミン神経細胞の変性による疾患で、姿勢は体幹前傾・前屈、肘と膝は軽度屈曲という左右差の少ない形になります。安静時振戦・筋強剛・無動・姿勢反射障害が四徴で、歩行は小刻み歩行やすくみ足。上肢屈曲・下肢伸展という片麻痺型の組み合わせではありません。
✗ 2. 誤り
特発性側弯
脊柱の側方への弯曲と椎体の回旋を主体とする形態異常です。前屈テストで背部の左右差(肋骨隆起・ハンプ)を確認します。四肢の痙縮による肢位固定とは成り立ちが異なります。
✓ 3. 正しい
脳血管障害
一側の錐体路が障害され、上肢屈曲・下肢伸展の痙縮パターンをとります。これがマン・ウェルニッケ姿勢で、歩行時は分回し歩行を伴います。片麻痺を起こす原因として最も多いのが脳梗塞・脳出血です。
✗ 4. 誤り
くる病
ビタミンD欠乏などによる骨の石灰化障害で、小児に生じます。O脚(内反膝)、肋骨念珠、頭蓋癆、手関節部の膨隆など骨変形が中心で、神経の痙縮による姿勢異常ではありません。
ポイント
  • マン・ウェルニッケ姿勢=片麻痺の肢位。「上肢は屈曲・下肢は伸展」
  • 上肢:肩内転・肘屈曲・前腕回内・手指屈曲/下肢:股膝伸展・足底屈内反
  • 歩行は分回し歩行(ぶん回し歩行)
  • 原因は一側の錐体路障害=脳血管障害(脳梗塞・脳出血)が最多
  • パーキンソン病の前傾前屈姿勢(左右差が少ない)と混同しない
比較表
マン・ウェルニッケ姿勢パーキンソン病の姿勢
障害部位一側の錐体路(上位運動ニューロン)黒質—線条体のドパミン系
左右差あり(片側)乏しい(両側性)
上肢屈曲・前腕回内肘軽度屈曲、前傾
下肢伸展・足底屈内反膝軽度屈曲
筋緊張痙縮(折りたたみナイフ現象)筋強剛(歯車・鉛管様)
歩行分回し歩行小刻み歩行・すくみ足・突進現象
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