学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §7 リハビリテーションの実際 / QJ31P022

理由で解く 柔道整復師

QJ31P022 リハビリテーション医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問22
問題
レビー小体型認知症で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 幻視を特徴とする。
2 症状は段階的に進行する。
3 パーキンソン症状が出現する。
4 コンビニなどで品物を持ち去る。
解答
正解1(幻視を特徴とする。)、3(パーキンソン症状が出現する。)
解説

レビー小体型認知症の中核的な特徴は、繰り返し現れる具体的な幻視パーキンソニズムである。したがって1と3を選ぶ。

レビー小体型認知症は、α-シヌクレインを主成分とするレビー小体が脳幹だけでなく大脳皮質にも広く出現する疾患。中核的特徴は認知機能の変動・繰り返す具体的な幻視・レム睡眠行動障害・パーキンソニズムの4つで、初期から注意や遂行機能、視空間認知が障害されやすいのに記憶障害は目立たないことがある点が、アルツハイマー型との違いになる。抗精神病薬に過敏で強い錐体外路症状や意識障害を起こすことがあるため、幻視への対応はまず環境調整(照明を明るくする、見間違えのもとになる模様・影・掛けた衣類を減らす)から始め、本人の見えているものを頭ごなしに否定せず安心につながる声かけを行う。起立性低血圧や失神、便秘といった自律神経症状も伴いやすく、リハビリテーションでは日内変動を見て調子のよい時間帯に実施し、転倒予防を最優先に組み立てる。

✓ 1. 正しい
幻視を特徴とする。
中核的特徴の一つ。人・小動物・虫などの具体的でありありとした幻視が繰り返し現れ、本人にとっては実在するように体験される。初期から出現することが多く、診断の手がかりになる。
✓ 3. 正しい
パーキンソン症状が出現する。
これも中核的特徴。筋強剛や動作緩慢、小刻み歩行、姿勢反射障害が前景に立ちやすく、静止時振戦は目立たないこともある。転倒リスクが高まるため環境整備と歩行の見守りが重要になる。
✗ 2. 誤り
症状は段階的に進行する。
段階的(階段状)に悪化するのは血管性認知症の特徴で、脳血管障害の再発のたびに一段ずつ落ちる経過をとる。レビー小体型認知症は日や時間帯で調子が大きく変わる「認知機能の変動」を伴いながら、全体としては進行性に進む。
✗ 4. 誤り
コンビニなどで品物を持ち去る。
万引きなど社会のルールを外れる行動(脱抑制)や常同行動、我が道を行く振る舞いは前頭側頭型認知症で目立つ特徴である。レビー小体型認知症の典型像ではない。
ポイント
  • 中核的特徴は認知機能の変動・繰り返す具体的な幻視・レム睡眠行動障害・パーキンソニズムの4つ。
  • 初期から注意・遂行機能・視空間認知が障害されやすく、記憶障害は目立たないことがある。
  • 抗精神病薬に過敏。対応はまず環境調整(照明、見間違えのもとを減らす)から。
  • 階段状の進行=血管性認知症、万引きなどの脱抑制=前頭側頭型認知症。
  • 起立性低血圧・失神・便秘などの自律神経症状も多く、転倒予防を最優先にする。
比較表
認知症経過特徴的な症状
レビー小体型変動しながら進行具体的な幻視・パーキンソニズム・レム睡眠行動障害・薬剤過敏
アルツハイマー型緩徐に進行近時記憶障害・見当識障害・取り繕い
血管性段階状に進行まだら認知症・感情失禁・局所神経症状
前頭側頭型緩徐に進行脱抑制(万引きなど)・常同行動・人格変化
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