学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §3 病因 / QJ31A118

理由で解く 柔道整復師

QJ31A118 病理学概論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問118
問題
ホルモンと疾患の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 成長ホルモン-尿崩症
2 甲状腺ホルモン-バセドウ(Basedow)病
3 アルドステロン→-クッシング(Cushing)症候群
4 インスリンーー褐色細胞腫
解答
正解2(甲状腺ホルモン-バセドウ(Basedow)病)
解説

正しい組合せは「甲状腺ホルモン-バセドウ病」。内分泌の問題は、腺→ホルモン→過剰/不足でどうなるか、を一直線につないで覚えると解ける。

内分泌疾患は、ホルモンが過剰か不足かで症状が正反対に出るのが特徴である。下垂体後葉のバソプレシン(抗利尿ホルモン)が不足すれば尿を濃縮できずに多尿となり尿崩症、副腎皮質のコルチゾール過剰でクッシング症候群、アルドステロン過剰で原発性アルドステロン症、副腎髄質のカテコールアミン過剰で褐色細胞腫による発作性高血圧、というように対応づけられる。バセドウ病はTSH受容体に対する自己抗体が受容体を刺激し続けるため、下垂体からの制御を離れて甲状腺ホルモンが作られ続ける自己免疫疾患であり、甲状腺ホルモン過剰の代表として押さえておきたい。組合せ問題では、まず「そのホルモンはどこから出るか」を思い出し、次に疾患側の主役ホルモンを思い出して突き合わせるとよい。

✓ 2. 正しい
甲状腺ホルモン-バセドウ(Basedow)病
TSH受容体抗体が甲状腺を持続的に刺激し、甲状腺ホルモンが過剰になる疾患。頻脈、体重減少、発汗過多、手指振戦、易疲労、びまん性甲状腺腫、眼球突出などがみられる。
✗ 1. 誤り
成長ホルモン-尿崩症
尿崩症の主役はバソプレシン(抗利尿ホルモン)で、その分泌不足または腎の反応低下によって起こる。成長ホルモンの過剰は、骨端線閉鎖前なら巨人症、閉鎖後なら先端巨大症となる。
✗ 3. 誤り
アルドステロン→-クッシング(Cushing)症候群
クッシング症候群の主役はコルチゾール(糖質コルチコイド)で、中心性肥満、満月様顔貌、皮膚の赤紫色線条、高血糖、骨粗鬆症を示す。アルドステロン過剰は原発性アルドステロン症で、高血圧と低カリウム血症が前面に出る。
✗ 4. 誤り
インスリンーー 褐色細胞腫
褐色細胞腫は副腎髄質などのクロム親和性細胞から発生する腫瘍で、カテコールアミン過剰により発作性の高血圧・動悸・頭痛・発汗をきたす。インスリンは膵ランゲルハンス島B(β)細胞から分泌され、不足すれば糖尿病、腫瘍性の過剰分泌はインスリノーマである。
ポイント
  • バセドウ病=TSH受容体抗体による甲状腺ホルモン過剰。頻脈・体重減少・眼球突出。
  • 尿崩症=バソプレシン(ADH)の不足または腎の反応低下。成長ホルモン過剰は巨人症・先端巨大症。
  • クッシング症候群=コルチゾール過剰。アルドステロン過剰は原発性アルドステロン症。
  • 褐色細胞腫=副腎髄質のカテコールアミン過剰。インスリン不足は糖尿病、過剰はインスリノーマ。
  • 組合せ問題は「腺→ホルモン→過剰/不足の疾患」を両側から突き合わせる。
比較表
ホルモン主な産生部位過剰でみられる疾患不足でみられる疾患
甲状腺ホルモン甲状腺バセドウ病粘液水腫・クレチン症
成長ホルモン下垂体前葉巨人症・先端巨大症下垂体性小人症
バソプレシン(ADH)下垂体後葉SIADH(低ナトリウム血症)尿崩症
コルチゾール副腎皮質(束状帯)クッシング症候群アジソン病
アルドステロン副腎皮質(球状帯)原発性アルドステロン症低血圧・高カリウム血症
カテコールアミン副腎髄質褐色細胞腫
インスリン膵ランゲルハンス島B細胞インスリノーマ(低血糖)糖尿病
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