学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §3 病因 / QJ29A117

理由で解く 柔道整復師

QJ29A117 病理学概論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問117
問題
感染経路で空気感染を示すのはどれか。
選択肢
1 インフルエンザ
2 日本脳炎:
3 麻疹
4 C型肝炎
解答
正解3(麻疹)
解説

空気感染(飛沫核感染)を示すのは麻疹。空気感染するのは結核・麻疹・水痘の3つ、と固定して他の経路と対比するのが最短の覚え方。

咳やくしゃみで飛び散る飛沫は直径5μm以上で水分を含んで重く、1〜2mで床に落ちる。これが飛沫感染。ところが飛沫の水分が蒸発して残った芯=飛沫核は5μm未満と軽く、空気の流れに乗って長時間漂い、部屋の反対側や隣室まで届く。これが空気感染で、病原体の側には「乾燥しても感染力を保てる」性質が必要になる。この条件を満たすのが結核菌・麻疹ウイルス・水痘帯状疱疹ウイルスである。麻疹は感染力がきわめて強く、同じ空間にいるだけで未免疫者にうつるため、対策はサージカルマスクでは不十分で、陰圧個室とN95マスクによる空気予防策が必要になる。最も確実な備えはワクチン(MRワクチン)で、医療・施術の現場に立つ人は自分の抗体価を確認しておきたい。

✓ 3. 正しい
麻疹
麻疹ウイルスは飛沫核となって空中を漂い、離れた場所の未免疫者にも感染する。基本再生産数が非常に大きく、空気感染対策の代表例として扱われる。カタル期・コプリック斑・発疹という経過と、脳炎などの合併症も押さえておく。
✗ 1. 誤り
インフルエンザ
主経路は飛沫感染と、ドアノブなどを介した接触感染。飛沫は近距離で落下するため、距離の確保・マスク・手指衛生が有効な対策になる。
✗ 2. 誤り
日本脳炎:
コガタアカイエカが媒介するベクター(媒介動物)感染。ブタの体内でウイルスが増え、それを吸血した蚊に刺されてヒトが感染する。ヒトからヒトへ直接は伝播しない。
✗ 4. 誤り
C型肝炎
血液を介する血液媒介感染。針刺し事故、消毒不十分な器具、入れ墨などが経路で、会話や同室によって空気を介してうつることはない。
ポイント
  • 空気感染(飛沫核感染)=結核・麻疹・水痘。この3つを固定して覚える。
  • 飛沫(5μm以上)は1〜2mで落下、飛沫核(5μm未満)は長時間浮遊。粒子の大きさが経路を決める。
  • 空気予防策は陰圧個室+N95マスク、飛沫予防策はサージカルマスク+距離の確保。
  • 日本脳炎・マラリア・デング熱はベクター感染、B型/C型肝炎・HIVは血液媒介感染。
  • 麻疹はワクチンで防げる。現場に立つ前に自分の抗体価を確認し、必要なら接種しておく。
比較表
感染経路運ばれ方代表疾患主な対策
空気感染(飛沫核)5μm未満の飛沫核が長時間浮遊結核、麻疹、水痘陰圧個室、N95マスク、ワクチン
飛沫感染5μm以上の飛沫が1〜2mで落下インフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎サージカルマスク、距離の確保
接触感染直接接触・器具や環境表面を介するMRSA、疥癬、流行性角結膜炎手指衛生、手袋、器具の消毒
血液媒介感染血液・体液が体内に入るB型肝炎、C型肝炎、HIV針刺し防止、標準予防策
ベクター感染蚊・ダニなどが媒介日本脳炎、マラリア、デング熱防虫、蚊の駆除、ワクチン
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