学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §6 歩行 / QJ31A114

理由で解く 柔道整復師

QJ31A114 運動学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問114
問題
歩行開始の段階の小児歩行に特徴的なのはどれか。
選択肢
1 踵から接地する。
2 上肢の振りがない。
3 左右の足の間隔が狭い。
4 歩行率が低い。
解答
正解2(上肢の振りがない。)
解説

歩き始めた直後の小児は、両上肢を高く挙げた姿勢(ハイガード肢位)でバランスをとるため、成人のような上肢の交互の振りがない。よって2が正しい。

独歩を始めたばかりの時期はバランス機構が未熟で、体幹や上肢を積極的に使って安定を確保しようとする。両上肢は肩を外転・肘を屈曲した位置で挙げたまま固定され(ハイガード)、歩行に伴う交互の腕振りは現れない。下肢では、足底全体またはつま先から接地し、左右の足の間隔(歩隔)を広くとって支持基底面を確保する。また脚が短いため歩幅は小さく、その分を歩数で補うので歩行率(ケイデンス、単位時間あたりの歩数)は成人より高い。踵接地、上肢の交互振り、狭い歩隔、低い歩行率といった成人型のパターンは、歩行開始からおおむね3〜4歳ころにかけて順次現れ、7歳前後で成人に近い歩行が完成するとされる。

✓ 2. 正しい
上肢の振りがない。
両上肢を挙げて構えるハイガード肢位をとり、バランス保持に使うため交互の腕振りが出ない。歩行が安定するにつれて上肢は下がり、体幹回旋と連動した振りが現れる。
✗ 1. 誤り
踵から接地する。
歩行開始期は足底全体(フットフラット)またはつま先からの接地が多い。踵接地は歩行経験を積んでから確立していく。
✗ 3. 誤り
左右の足の間隔が狭い。
歩隔は広い(wide base)。支持基底面を大きくとって左右の動揺に備えている。安定するにつれて歩隔は狭くなる。
✗ 4. 誤り
歩行率が低い。
歩行率は高い。下肢が短く歩幅が小さいため、歩数を増やして進む。成長に伴って歩幅が伸び、歩行率は下がっていく。
ポイント
  • 歩行開始期の小児=ハイガード肢位で上肢の振りがない
  • 接地は足底全体またはつま先。踵接地は歩行経験とともに確立
  • 歩隔は広く、歩幅は小さい。支持基底面を広げて安定を確保している
  • 歩行率(ケイデンス)は高い。小さい歩幅を歩数で補うため
  • 成人型の歩行パターンはおおむね7歳前後で完成する
  • 「未熟だから不安定な要素が減る」のではなく「不安定を補うために広く・速く・上肢で構える」と理解すると全項目が一本の理屈でつながる
比較表
項目歩行開始期の小児成人
上肢ハイガード肢位、振りなし下垂位で交互に振る
接地足底全体・つま先踵接地
歩隔広い狭い
歩幅小さい大きい
歩行率高い低い
体幹回旋が乏しい骨盤・肩甲帯が逆方向に回旋
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