学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §6 歩行 / QJ31A113

理由で解く 柔道整復師

QJ31A113 運動学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問113
問題
歩行時の関節運動で正しいのはどれか。
選択肢
1 支持脚の股関節は踵接地後ただちに屈曲する。
2 支持脚の膝関節は踵接地後ただちに過伸展する。
3 膝関節は1回の歩行周期に2度屈曲する。
4 足関節は1回の歩行周期に1度背屈、底屈する。
解答
正解3(膝関節は1回の歩行周期に2度屈曲する。)
解説

膝関節は1歩行周期の中で、荷重応答期と遊脚期の2回屈曲する(二重膝作用、double knee action)。よって3が正しい。

1歩行周期は同側の踵接地から次の同側踵接地までを指し、この間に膝の角度は二峰性の曲線を描く。踵接地直後の荷重応答期に約15〜20度屈曲して着地の衝撃を吸収し(第1の屈曲)、立脚中期にいったん伸展位に戻り、前遊脚期から遊脚初期にかけて約60度まで屈曲して足が床に引っかからないようにする(第2の屈曲)。この2回の屈曲があるおかげで、身体重心の上下動が小さく抑えられ、歩行の効率が保たれる。一方、股関節は踵接地の時点がほぼ最大屈曲位で、そこから立脚を通じて伸展方向へ動いていく。足関節は踵接地後の底屈、立脚中期の背屈、蹴り出しの底屈、遊脚期の背屈と、1周期に底屈・背屈を2回ずつ行う。

✓ 3. 正しい
膝関節は1回の歩行周期に2度屈曲する。
荷重応答期の約15〜20度の屈曲(衝撃吸収)と、遊脚期の約60度の屈曲(足のクリアランス確保)の2回。これを二重膝作用という。
✗ 1. 誤り
支持脚の股関節は踵接地後ただちに屈曲する。
踵接地の時点で股関節はすでに屈曲位(およそ20〜30度)にあり、その後は立脚を通じて伸展方向へ動く。再び屈曲に転じるのは前遊脚期以降である。
✗ 2. 誤り
支持脚の膝関節は踵接地後ただちに過伸展する。
踵接地直後に起こるのは屈曲であって過伸展ではない。正常歩行で立脚期に過伸展(反張膝)が生じる場合は、大腿四頭筋の筋力低下や下腿三頭筋の短縮などを疑い、原因に応じた評価と介入につなげる。
✗ 4. 誤り
足関節は1回の歩行周期に1度背屈、底屈する。
足関節は1歩行周期に底屈・背屈をそれぞれ2回行う。踵接地後の底屈 → 立脚中期の背屈 → 蹴り出しの底屈 → 遊脚期の背屈、という順序で覚える。
ポイント
  • 1歩行周期=同側の踵接地から次の同側踵接地まで(立脚期約60%、遊脚期約40%)
  • 膝は1周期に2回屈曲(二重膝作用)。荷重応答期に約15〜20度、遊脚期に約60度
  • 股関節は踵接地時が最大屈曲位で、以後は伸展方向へ。踵接地直後に屈曲するのではない
  • 足関節は1周期に底屈2回・背屈2回
  • 2回の膝屈曲は重心の上下動を抑え、歩行のエネルギー効率を高める
比較表
関節踵接地直後立脚中期蹴り出し遊脚期
股関節屈曲位から伸展へ伸展方向最大伸展屈曲
膝関節屈曲(約15〜20度)伸展屈曲開始屈曲(約60度)
足関節底屈背屈底屈背屈
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