学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §6 歩行 / QJ32A113

理由で解く 柔道整復師

QJ32A113 運動学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問113
問題
歩行周期の中で歩行が速くなると増加するのはどれか。
選択肢
1 1歩行周期の時間
2 両脚支持期/1歩行周期
3 遊脚期/1歩行周期
4 立脚期/1歩行周期
解答
正解3(遊脚期/1歩行周期)
解説

歩行が速くなると1歩行周期に占める遊脚期の割合が増え、立脚期と両脚支持期の割合は減る。1歩行周期そのものに要する時間も短縮する。

1歩行周期は一側の踵接地から次の同側の踵接地までを指し、この1周期が重複歩(stride)1回にあたる。1周期は立脚期と遊脚期に分かれ、通常歩行での比率はおよそ立脚期60%・遊脚期40%で、立脚期のうち両脚が接地している両脚支持期が1周期に2回、合わせて約20%を占める。歩行速度は「歩幅(step length)×歩行率(ケイデンス、歩/分)」で決まるため、速く歩くときは1歩あたりの時間が短くなり、歩幅2歩分=重複歩1回に相当する1歩行周期の所要時間も減少する。同時に床を踏んでいる時間が相対的に切り詰められ、立脚期の割合、とくに両脚支持期の割合が小さくなって、その分だけ遊脚期の割合が大きくなる。この変化を突き詰めた状態が走行で、両脚支持期は消失して両脚とも床から離れる時期(両脚遊脚期)が現れる。したがって「速くする=走行に近づく」と考えれば、増えるのは遊脚期の割合だと判断できる。

✓ 3. 正しい
遊脚期/1歩行周期
立脚期と遊脚期を合わせて1歩行周期100%になるので、立脚期の割合が減れば遊脚期の割合は必ず増える。速く歩くほど足を床に置いている時間が切り詰められ、通常歩行で約40%の遊脚期の比率は上昇していく。その延長が走行で、遊脚期が立脚期を上回る。増減を問われたら「走行に近づく方向に変わる」と当てはめて確認するとよい。
✗ 1. 誤り
1歩行周期の時間
速く歩くときは歩行率(ケイデンス、単位時間あたりの歩数)が上がるため、一側の踵接地から次の同側踵接地までに要する時間はむしろ短くなる。歩行速度=歩幅(step length)×歩行率という関係を思い出せばよい。1歩行周期は重複歩1回、すなわち歩幅2歩分に相当するので、速度を上げる場面で歩幅も歩行率も増えれば、周期時間は必ず減少する。
✗ 2. 誤り
両脚支持期/1歩行周期
両脚支持期は1歩行周期に2回あり、通常歩行では合わせて約20%を占める。速度が上がるほどこの時期は短縮し、走行になると消失して両脚遊脚期に置き換わる。両脚支持期の有無が歩行と走行を分ける指標であることを、速度との関係と一緒に覚えておくと判断が速い。
✗ 4. 誤り
立脚期/1歩行周期
立脚期は通常歩行で約60%を占めるが、速度を上げると足が床に接している時間の比率は小さくなる。とくに立脚期の前後にある両脚支持期の短縮が大きく寄与する。立脚期と遊脚期は足し合わせて100%になる関係なので、この2つは常に反対方向に動くものとして対で整理しておく。
ポイント
  • 1歩行周期=一側の踵接地から次の同側踵接地まで(=重複歩1回)。通常は立脚期約60%:遊脚期約40%。
  • 歩行速度=歩幅(step length)×歩行率(ケイデンス、歩/分)。重複歩距離(stride length)は歩幅の約2倍で、1歩行周期=重複歩1回に対応する。速度を上げると歩幅・歩行率とも増え、1歩行周期の時間は短縮する。
  • 両脚支持期は1歩行周期に2回、合計約20%。速度上昇で短縮し、走行では消失して両脚遊脚期が出現する。
  • 速くなると増えるのは遊脚期の割合、減るのは立脚期・両脚支持期の割合と1周期の時間。
  • 迷ったら「速くする=走行に近づく」と置き換え、走行での状態(遊脚期が優位、両脚支持期ゼロ)から逆算して判断する。
比較表
指標通常歩行のめやす歩行が速くなると
1歩行周期の時間約1秒前後(重複歩1回分)減少(短縮)
歩行率(ケイデンス)約110〜120歩/分増加
歩幅(step length:一側踵接地〜対側踵接地)約70〜80cm増加
重複歩距離(stride length:同側踵接地〜同側踵接地、歩幅の約2倍)約140〜160cm増加
立脚期/1歩行周期約60%減少
遊脚期/1歩行周期約40%増加(本問の正答)
両脚支持期/1歩行周期約20%(2回分の合計)減少、走行では0%
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