学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §6 歩行 / QJ32A114

理由で解く 柔道整復師

QJ32A114 運動学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問114
問題
異常歩行と原因疾患の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 酩酊歩行 -腰部脊柱管狭窄症
2 尖足歩行-パーキンソン(Parkinson)病
3 間欠性跛行-脳性麻痺
4 小刻み歩行-多発性ラクナ型脳梗塞
解答
正解4(小刻み歩行-多発性ラクナ型脳梗塞)
解説

多発するラクナ梗塞は大脳基底核周囲を障害して血管性パーキンソニズムを生じ、小刻み歩行を示す。組合せとして正しいのは 4 である。

異常歩行は「どこが障害されたか」で整理すると混同しにくい。小脳や脊髄後索の障害では体幹の動揺が大きく足を広げて歩く酩酊(失調)歩行、大脳基底核系の障害では歩幅の小さい小刻み歩行・すくみ足・突進現象、腓骨神経麻痺など下位運動ニューロンの障害では下垂足のため膝を高く上げる鶏歩、痙性麻痺では尖足歩行やはさみ足歩行、中殿筋の機能低下では患側立脚時に反対側の骨盤が下がるトレンデレンブルグ歩行となる。歩くと下肢の痛みやしびれが出て、休むとまた歩ける間欠性跛行は腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症が代表で、前者は前屈や自転車で軽快し足背動脈は触れる、後者は姿勢で変わらず足背動脈が触れにくい、という違いが鑑別の手掛かりになる。なお、選択肢に並ぶ連結記号や一部の漢字の表記は乱れているが、歩行名と疾患名の語句自体は読み取れるので、その対応関係で判断すればよい(選択肢3の「間灾性跛行」は「間欠性跛行」のこと)。

✓ 4. 正しい
小刻み歩行-多発性ラクナ型脳梗塞
穿通枝領域の小梗塞が多発すると大脳基底核とその周囲の線維が障害され、錐体外路症状(血管性パーキンソニズム)が出現する。歩幅が狭く足を擦るような小刻み歩行やすくみ足がみられる。
✗ 1. 誤り
酩酊歩行 -腰部脊柱管狭窄症
酩酊歩行は小脳性運動失調でみられる歩行で、支持基底面を広げ、ふらつきながら不規則に歩く。腰部脊柱管狭窄症で特徴的なのは間欠性跛行である。
✗ 2. 誤り
尖足歩行-パーキンソン(Parkinson)病
尖足歩行は脳性麻痺など痙性麻痺でみられる。パーキンソン病の歩行は前傾前屈姿勢での小刻み歩行、すくみ足、加速していく突進歩行が特徴である。
✗ 3. 誤り
間欠性跛行-脳性麻痺
間欠性跛行の原因は腰部脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症である。脳性麻痺では痙性による尖足歩行やはさみ足(交叉性)歩行がみられる。
ポイント
  • 小刻み歩行・すくみ足・突進歩行=パーキンソン病、および多発ラクナ梗塞による血管性パーキンソニズム。
  • 酩酊(失調)歩行=小脳障害。後索障害では踵を打ちつける踵打ち歩行となり、閉眼で悪化する(ロンベルグ徴候陽性)。
  • 間欠性跛行=腰部脊柱管狭窄症(前屈で軽快、足背動脈は触知可)/閉塞性動脈硬化症(姿勢で変わらず、足背動脈は触知困難)。
  • 鶏歩=腓骨神経麻痺による下垂足。尖足歩行・はさみ足歩行=脳性麻痺などの痙性麻痺。
  • トレンデレンブルグ歩行=中殿筋の機能低下(変形性股関節症、上殿神経麻痺、先天性股関節脱臼など)。
比較表
異常歩行特徴主な原因
小刻み歩行歩幅が狭く足を擦る、すくみ足・突進パーキンソン病、多発ラクナ梗塞(血管性パーキンソニズム)
酩酊(失調)歩行両足を開き体幹が動揺、方向が定まらない小脳障害
間欠性跛行歩くと下肢の痛み・しびれ、休むと再び歩ける腰部脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症
鶏歩下垂足のため膝を高く上げ、つま先から接地腓骨神経麻痺
尖足・はさみ足歩行つま先立ち、両膝が交叉する脳性麻痺などの痙性麻痺
トレンデレンブルグ歩行患側立脚時に反対側の骨盤が下がる中殿筋の機能低下
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