学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 運動学 ▸ §6 歩行 / QJ33A114
理由で解く 柔道整復師

前脛骨筋は歩行周期のなかで、踵接地前後(立脚初期)と遊脚期の二相に集中して活動します。この二峰性のパターンを示す波形が前脛骨筋にあたり、本問ではCが正答とされています。
歩行時の筋活動は「その筋が何を防いでいるか」から逆算すると覚えなくても導けます。前脛骨筋は足関節の背屈筋です。踵接地の直後、足部は床反力によって一気に底屈しようとします。ここで前脛骨筋が遠心性に働いて底屈の速度を制動し、足底が床にたたきつけられるのを防ぎます(この機能が失われた状態が、いわゆる foot slap です)。続く立脚中期から立脚終期にかけては、体重を支え蹴り出すのは下腿三頭筋の役目なので、前脛骨筋の活動はいったん静かになります。そして足が床を離れる遊脚期には、つま先が床に引っかからないよう(toe clearance)足関節を背屈位に保つ必要があり、再び活動します。したがって前脛骨筋の筋電図は「立脚初期に一峰、遊脚期にもう一峰」という二相性になります。以下は、前脛骨筋と紛らわしい他の筋の典型パターンです(どの波形がどの筋にあたるかは図で確認してください)。下腿三頭筋は立脚中期から立脚終期にピークをもつ一峰性、大腿四頭筋は荷重応答期に膝折れを防ぐ短い活動、ハムストリングスは遊脚終期に振り出した下腿を減速させて立脚初期まで続く活動です。いずれも「立脚初期+遊脚期の二峰性」という前脛骨筋の形とは異なります。
| 筋 | 主な活動時期 | 役割 |
|---|---|---|
| 前脛骨筋 | 立脚初期+遊脚期(二峰性) | 底屈の制動、つま先の引っかかり防止 |
| 下腿三頭筋 | 立脚中期〜立脚終期 | 体幹の前方移動の制御と蹴り出し |
| 大腿四頭筋 | 荷重応答期 | 膝折れの防止 |
| ハムストリングス | 遊脚終期〜立脚初期 | 下腿の振り出しの減速、股関節の安定 |
| 大殿筋 | 遊脚終期〜荷重応答期 | 体幹の前傾防止、股関節伸展 |
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