学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §7 運動発達 / QJ33A115

理由で解く 柔道整復師

QJ33A115 運動学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問115
問題
正常な 10か月の乳児でみられるのはどれか。
選択肢
1 モロー反射
2 ガラント反射
3 足底把握反射
4 非対称性緊張性頸反射
解答
正解3(足底把握反射)
解説

足底把握反射は原始反射の中で消失が最も遅く、独歩の獲得前後(おおむね生後9〜12か月、遅い児では1歳以降)まで残存します。したがって正常な10か月児でみられるのはこれです。正答は3。

原始反射は脳幹・脊髄レベルで営まれる反射で、大脳皮質の成熟に伴って抑制され消えていきます。消失時期が遅れることは中枢神経系の異常を疑う手がかりになるため、反射名と消失時期をセットで覚えることが重要です。モロー反射と非対称性緊張性頸反射(ATNR)はいずれも生後4〜6か月頃までに、ガラント反射は生後2〜3か月頃(遅くとも6か月頃まで)に消失します。これに対して足底把握反射は明らかに長く残る群で、つかまり立ちから独歩へ移行する1歳前後まで、児によってはそれ以降まで認められます。したがって生後10か月で足底把握反射が認められることは正常であり、消えていないことを異常と扱いません。生後10か月はお座り・はいはい・つかまり立ちの時期にあたり、この時期に4〜6か月で消えるはずの反射(モロー反射・ATNR・ガラント反射)が残っていれば、発達の経過を継続して評価し、必要に応じて小児科など専門医療機関につなぎます。

✓ 3. 正しい
足底把握反射
足底の母趾球あたりを圧迫すると足趾が屈曲する反射です。原始反射の中で消失が最も遅い群に属し、独歩の獲得前後(おおむね生後9〜12か月、遅い児では1歳以降)まで残存します。10か月児で認められるのは正常な所見です。
✗ 1. 誤り
モロー反射
頭部を急に落下させるなどの刺激で上肢が外転・伸展したのち抱きつくように内転する反射で、生後4〜6か月までに消失します。10か月で明らかに残存していれば正常とはいえません。
✗ 2. 誤り
ガラント反射
腹臥位で脊柱の側方をこすると、体幹が刺激側へ凹むように側屈する反射です。消失は生後2〜3か月頃(遅くとも6か月頃)と最も早く、10か月ではみられません。
✗ 4. 誤り
非対称性緊張性頸反射
背臥位で頭部を一側に向けると、顔の向いた側の上下肢が伸展し反対側が屈曲する(フェンシング肢位)反射で、生後4〜6か月までに消失します。残存すると寝返りや正中位での両手の使用が妨げられます。
ポイント
  • 足底把握反射は独歩の獲得前後(おおむね生後9〜12か月、遅い児では1歳以降)まで残存し、原始反射の中で消失が最も遅い群。10か月で認められるのは正常。
  • モロー反射・非対称性緊張性頸反射(ATNR)はともに生後4〜6か月で消失。
  • ガラント反射は生後2〜3か月頃(遅くとも6か月頃)と最も早く消失。
  • 手掌把握反射は生後4〜6か月で消失。足底把握反射の方がはるかに長く残る点が対比で狙われる。
  • 消失時期の遅れは中枢神経系障害を疑う所見。発達の経過を追い、必要に応じて専門医療機関へつなぐ。
比較表
原始反射誘発法の要点残存・消失の目安10か月でみられるか
ガラント反射腹臥位で脊柱の側方をこする生後2〜3か月(遅くとも6か月頃)に消失みられない
モロー反射頭部を急に落下させる生後4〜6か月に消失みられない
非対称性緊張性頸反射背臥位で頭部を一側へ回す生後4〜6か月に消失みられない
手掌把握反射手掌を圧迫する生後4〜6か月に消失みられない
足底把握反射足底の母趾球部を圧迫する独歩の獲得前後(おおむね生後9〜12か月、遅い児では1歳以降)まで残存=原始反射で最も遅いみられる(正常)
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