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理由で解く 柔道整復師

QJ24A096 病理学概論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問96
問題
脂肪を検出するのに用いられる染色法はどれか。
選択肢
1 オイルレッドO染色
2 コッサ染色
3 ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色
4 ベルリン青染色
解答
正解1(オイルレッドO染色)
解説

脂肪(中性脂肪)を証明する染色はオイルレッドO染色である。オイルレッドOは脂溶性のアゾ色素で、組織中の脂肪滴に溶け込んで赤〜橙色に染める。同じ脂溶性色素による脂肪染色にはズダンⅢ(赤〜橙)やズダンブラックB(黒〜青黒色)がある。

特殊染色は「何を見たいか」から逆引きして選ぶ。ここで重要なのは、脂肪が有機溶媒に溶けるという性質である。通常のパラフィン包埋標本ではキシレンやアルコールで処理する過程で脂肪が抜け落ちてしまい、脂肪変性の部位は丸い「空胞」としてしか見えない。そのため脂肪そのものを証明したいときは、包埋せずに凍結切片を作り、脂溶性色素で染める。同じ発想で、カルシウム塩はコッサ染色で黒色に、三価鉄(ヘモジデリン)はベルリン青染色で青色に、アミロイドはコンゴレッド染色で描出する。「標的物質と染色法をセットで覚える」ことが、この系統の問題を確実に取る近道である。

✓ 1. 正しい
オイルレッドO染色
脂溶性のアゾ色素で、組織中の脂肪滴に溶け込んで赤〜橙色に染める。脂肪肝・脂肪変性・脂肪塞栓の証明に用いる。脂肪が溶け出さないよう、凍結切片で行うのが原則である。
✗ 2. 誤り
コッサ染色
カルシウム塩(石灰沈着)を黒色に描出する染色である。異栄養性石灰化や転移性石灰化の確認に用いるもので、脂肪は染まらない。
✗ 3. 誤り
ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色
病理組織診断の基本となる一般染色で、核が青紫色、細胞質や膠原線維が赤桃色に染まる。脂肪は標本作製中に溶け出すため、HE標本では抜けた跡が空胞として見えるだけで、脂肪そのものを証明することはできない。
✗ 4. 誤り
ベルリン青染色
プルシアンブルー反応を利用して三価鉄を青色に染める。ヘモジデリン沈着(ヘモジデローシス)や、慢性肺うっ血でみられる心不全細胞の確認に用いる。標的は鉄であって脂肪ではない。
ポイント
  • 脂肪 → オイルレッドO(赤〜橙)・ズダンⅢ(赤〜橙)・ズダンブラックB(黒〜青黒色)。脂溶性色素なので凍結切片で染める。
  • カルシウム → コッサ染色(黒色)。
  • 鉄・ヘモジデリン → ベルリン青染色(青色)。
  • アミロイド → コンゴレッド(偏光下で緑色複屈折)/グリコーゲン・粘液 → PAS染色。
  • HE染色は一般染色。脂肪は溶けて「空胞」に見えるだけ、と理解しておく。
比較表
見たいもの染色法染まる色関連する病態
脂肪オイルレッドO/ズダンⅢ赤〜橙脂肪肝、脂肪塞栓
脂肪ズダンブラックB黒〜青黒脂肪変性(同じ脂溶性色素だが色が異なる)
カルシウムコッサ染色石灰化
鉄(ヘモジデリン)ベルリン青染色慢性うっ血、ヘモジデローシス
アミロイドコンゴレッド橙赤(偏光で緑)アミロイドーシス
膠原線維マッソン・トリクローム青緑線維化、肝硬変
一般(核・細胞質)HE染色青紫・赤桃基本の組織診断
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