学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §7 運動発達 / QJ32A115

理由で解く 柔道整復師

QJ32A115 運動学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問115
問題
健常成人でみられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 バランス反応
2 ガラント反射
3 パラシュート反応
4 非対称性緊張性頸反射
解答
正解1(バランス反応)、3(パラシュート反応)
解説

2つ選ぶ設問である。バランス反応(平衡反応)とパラシュート反応は一度出現すると生涯持続する姿勢反応で、健常成人でもみられる。

反射・反応は「出現する時期」と「消失する時期」で整理する。原始反射(モロー反射、把握反射、吸啜反射、ガラント反射、非対称性緊張性頸反射など)は脳幹・脊髄レベルの反射で、生後数か月のうちに中枢神経系の成熟とともに統合されて消える。それと入れ替わるように、立ち直り反応、パラシュート反応(保護伸展反応)、平衡反応(バランス反応)といった中脳・大脳皮質レベルの姿勢反応が出現し、これらは生涯持続して立位・歩行の安定を支える。したがって「健常成人でみられる=生涯持続する姿勢反応」と読み替えれば選べる。成人で原始反射が再び出現する場合は、前頭葉など上位中枢の障害を示唆する所見となるため、評価時には左右差とあわせて確認したい。

✓ 1. 正しい
バランス反応
支持面が傾いたり重心が動揺したりしたときに、体幹や四肢を動かして重心を支持基底面内に戻す平衡反応。生後6か月頃から座位・立位の順に出現し、生涯持続する。
✓ 3. 正しい
パラシュート反応
体を前方へ急に傾けたときに上肢を伸ばして体を支える保護伸展反応。生後6〜9か月頃に出現し、以後生涯持続する。転倒時に手をつく動作はこの反応による。
✗ 2. 誤り
ガラント反射
腹臥位で脊柱の側方を擦ると体幹が刺激側へ側屈する原始反射。生後2〜6か月頃までに消失するため、健常成人ではみられない。
✗ 4. 誤り
非対称性緊張性頸反射
頸部を回旋させると顔を向けた側の上下肢が伸展し、後頭側が屈曲する原始反射(フェンシング肢位)。生後4〜6か月頃までに消失するため、健常成人ではみられない。
ポイント
  • 設問は「2つ選べ」。健常成人でみられる=生涯持続する姿勢反応と読み替えて選ぶ。
  • 生涯持続する反応:立ち直り反応、パラシュート(保護伸展)反応、平衡反応(バランス反応)。
  • 原始反射は生後数か月で消失:モロー反射(4〜6か月)、非対称性緊張性頸反射(4〜6か月)、ガラント反射(2〜6か月)、手掌把握反射(4〜6か月)、足底把握反射(9〜12か月、独歩の獲得とともに消失)。
  • 反射の階層:脊髄・脳幹レベル=原始反射 → 中脳レベル=立ち直り反応 → 大脳皮質レベル=平衡反応、の順に成熟する。
  • 成人で原始反射が再出現したら上位中枢(前頭葉など)の障害を疑い、他の神経学的所見と併せて評価する。
比較表
反射・反応階層出現消失健常成人
ガラント反射脊髄胎生期〜出生時生後2〜6か月みられない
非対称性緊張性頸反射脳幹出生時生後4〜6か月みられない
足底把握反射脊髄出生時生後9〜12か月(独歩の獲得とともに)みられない
立ち直り反応中脳生後4〜6か月みられる
パラシュート反応中脳〜皮質生後6〜9か月みられる
平衡(バランス)反応大脳皮質生後6か月以降みられる
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