学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §5 姿勢 / QJ33A113

理由で解く 柔道整復師

QJ33A113 運動学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問113
問題
立位姿勢が安定するのはどれか。
選択肢
1 重心が高い。
2 質量が大きい。
3 支持基底が狭い。
4 分節構造をとる。
解答
正解2(質量が大きい。)
解説

姿勢の安定性は、支持基底面が広い・重心が低い・重心線が支持基底面の中央にある・質量が大きいほど高くなります。正答は2。

物体の安定性を決める条件は、(1)支持基底面が広い、(2)重心の位置が低い、(3)重心線が支持基底面の中央近くを通る、(4)質量が大きい、(5)接地面との摩擦が大きい、(6)分節が少ない、の6つに整理できます。質量が大きいと慣性が大きく、同じ外力を受けても生じる加速度が小さいため、重心が動きにくくなります。ヒトの直立位は、足底という狭い支持基底面の上に、重心(第2仙椎のやや前方)を高い位置で載せた多分節構造であり、力学的には本来きわめて不安定です。それでも倒れないのは、足圧中心を絶えず微調整する姿勢制御が働いているからです。臨床でバランスが不安定な人に対しては、足幅を広げる・杖や歩行器で支持基底面を広げる・重心を低くするといった順で条件を整えていきます。

✓ 2. 正しい
質量が大きい。
質量が大きいほど慣性が大きく、外力に対して重心が動きにくくなるため安定性は高まります。相撲や柔道の構えで体重が有利に働くのはこの原理です。
✗ 1. 誤り
重心が高い。
重心が高いほど、わずかな傾きで重心線が支持基底面から外れやすくなり、不安定になります。安定させたいときは膝を曲げて重心を低くします。
✗ 3. 誤り
支持基底が狭い。
支持基底面(両足とその間の面積)は広いほど安定します。狭いほど重心線が面外へ出やすく、不安定になります。閉脚立位や継ぎ足立位が難しいのはこのためです。
✗ 4. 誤り
分節構造をとる。
分節(関節で連結された節)が多いほど自由度が増え、力学的には不安定になります。ヒトの立位が多分節構造でありながら保たれているのは、各関節を制御する持続的な筋活動があるからです。
ポイント
  • 安定性を高める条件=支持基底面が広い/重心が低い/重心線が中央/質量が大きい/摩擦が大きい/分節が少ない。
  • 質量が大きい=慣性が大きい=同じ外力での重心の移動が小さい。
  • ヒトの立位重心は第2仙椎のやや前方、身長のおよそ55〜56%の高さにある。
  • 重心線が支持基底面から外れた瞬間に転倒が始まる。
  • 直立位は力学的に不安定な姿勢であり、絶え間ない姿勢制御(筋活動)で保たれている。
比較表
条件安定する方向不安定になる方向
支持基底面広い狭い
重心の高さ低い高い
重心線の位置支持基底面の中央縁に近い・面外へ出る
質量大きい小さい
接地面の摩擦大きい小さい
分節の数少ない(一体構造)多い(多分節構造)
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