学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ33A112

理由で解く 柔道整復師

QJ33A112 運動学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問112
問題
頭部を対側に回旋させるのはどれか。
選択肢
1 板状筋
2 後頭下筋
3 胸鎖乳突筋
4 脊柱起立筋
解答
正解3(胸鎖乳突筋)
解説

胸鎖乳突筋は一側が収縮すると頭部を同側に側屈させながら、顔面を反対側(対側)へ回旋させます。正答は3。

胸鎖乳突筋は胸骨柄と鎖骨内側1/3から起こり、後上方へ斜めに走って乳様突起と後頭骨上項線の外側部に停止します。停止(乳様突起)が起始よりも後方かつ外側にあるため、片側が縮むと乳様突起が前下方へ引かれ、その結果として頭は同じ側に傾き、顔は反対側を向きます。先天性筋性斜頸で顔が健側を向くのはこの作用によるものです。頸部の回旋は「頭・頸の後面を縦に走る筋(板状筋・後頭下筋・脊柱起立筋)は同側回旋、前外側を斜めに走る筋(胸鎖乳突筋・斜角筋)は対側回旋」と、走行と位置関係で整理すると確実に判断できます。

✓ 3. 正しい
胸鎖乳突筋
一側収縮で同側への側屈+対側への回旋を起こします(両側同時に働くと頸部を屈曲させ、頭部は伸展位となる)。走行が前面から後外側上方へ斜めに向かうため、顔は縮んだ側と反対を向きます。
✗ 1. 誤り
板状筋
頭板状筋・頸板状筋は項部の後面を走り、一側収縮で同側への回旋と側屈を起こします(両側で頭頸部の伸展)。回旋方向が設問と逆です。
✗ 2. 誤り
後頭下筋
大後頭直筋・下頭斜筋などが環軸関節での同側回旋に働きます。小さな筋群ですが筋紡錘が密で、頭位の微細な調節を担っています。
✗ 4. 誤り
脊柱起立筋
腸肋筋・最長筋・棘筋からなり、両側収縮で脊柱の伸展、一側収縮で同側への側屈(回旋作用があっても同側)に働きます。対側回旋を担うのは、より深層の横突棘筋群(半棘筋・多裂筋・回旋筋)です。
ポイント
  • 胸鎖乳突筋の一側収縮=同側側屈+対側回旋。両側収縮で頸部屈曲。
  • 後面を走る筋(板状筋・後頭下筋・脊柱起立筋)は同側回旋
  • 深層の横突棘筋(半棘筋・多裂筋・回旋筋)は対側回旋
  • 斜角筋も一側収縮で同側側屈+対側回旋(頸部の前外側を走るため)。
  • 筋の走行と停止の位置関係から回旋方向を導く習慣をつけると丸暗記が不要になる。
比較表
一側収縮での回旋一側収縮での側屈両側収縮
胸鎖乳突筋対側同側頸部屈曲
板状筋同側同側頭頸部伸展
後頭下筋(下頭斜筋・大後頭直筋)同側同側頭部伸展
脊柱起立筋(腸肋筋・最長筋)同側同側脊柱伸展
横突棘筋(半棘筋・多裂筋・回旋筋)対側同側脊柱伸展
斜角筋対側同側頸部屈曲・肋骨挙上
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