学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ33A110

理由で解く 柔道整復師

QJ33A110 運動学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問110
問題
肩関節の外旋に作用するのはどれか。
選択肢
1 肩甲下筋
2 大円筋
3 大胸筋
4 小円筋
解答
正解4(小円筋)
解説

肩関節の外旋に働くのは棘下筋と小円筋で、回旋筋腱板のうち肩甲下筋だけが内旋筋です。正答は4。

回旋筋腱板(ローテーターカフ)は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4筋です。停止部で分けるのが最も確実で、肩甲骨の後面から起こって上腕骨の大結節につく棘上筋・棘下筋・小円筋は外転および外旋に働き、肩甲骨の前面(肋骨面)から起こって小結節につく肩甲下筋は内旋に働きます。ここで「結節」と「結節」は必ず区別してください。停止が大結節そのものなら外旋(棘下筋・小円筋)または外転(棘上筋)、小結節そのものなら内旋(肩甲下筋)です。これに対し、結節から下方へ伸びる「稜」につく筋、すなわち大結節稜につく大胸筋小結節稜につく広背筋・大円筋は、いずれも上腕を体幹側へ巻き込む内旋筋であり、結節そのものにつく筋とは別枠で覚えます。「大結節稜だから外旋」と読み替えて大胸筋を外旋筋にしてしまうのが典型的な誤りです。肩の外旋筋は棘下筋・小円筋・三角筋後部と数が少なく、内旋筋の方が圧倒的に強いため、投球障害や凍結肩の管理では外旋筋の機能を保つことが重視されます。

✓ 4. 正しい
小円筋
肩甲骨外側縁の後面から起こり、上腕骨大結節の下部に停止します。棘下筋とともに肩関節を外旋させ、骨頭を関節窩に引きつけて安定させます。支配神経は腋窩神経で、腱板の中で唯一この神経に支配される点も問われます。
✗ 1. 誤り
肩甲下筋
肩甲骨の前面(肋骨面)から起こり小結節に停止するため、作用は内旋です。腱板の中で唯一の内旋筋であり、外旋には働きません。
✗ 2. 誤り
大円筋
肩甲骨下角付近から小結節稜に停止し、内旋・内転・伸展に働きます。広背筋とほぼ同じ動きをするため「広背筋の小さな相棒」として覚えると整理しやすく、外旋とは逆向きです。
✗ 3. 誤り
大胸筋
鎖骨・胸骨・肋軟骨から起こり大結節稜に停止し、内旋・内転・水平内転(屈曲)に働きます。停止が「大結節」ではなく「大結節」である点が要注意で、稜につく筋は上腕を前内側へ巻き込む内旋筋です。外旋とは反対の作用になります。
ポイント
  • 肩の外旋筋=棘下筋・小円筋(+三角筋後部)。数が少ないので丸ごと覚える。
  • 肩の内旋筋=肩甲下筋・大胸筋・広背筋・大円筋(+三角筋前部)。
  • 停止部で判別(その1・結節そのもの):大結節=外旋(棘下筋・小円筋)および外転(棘上筋)、小結節=内旋(肩甲下筋)
  • 停止部で判別(その2・結節から伸びる稜):大結節稜(大胸筋)・小結節稜(広背筋・大円筋)につく筋はすべて内旋。「稜」は結節そのものとは別枠。
  • 回旋筋腱板4筋のうち内旋筋は肩甲下筋のみ。
  • 小円筋の支配は腋窩神経、他の腱板筋は肩甲上神経・肩甲下神経。
比較表
停止主な作用支配神経
棘上筋大結節(上部)外転の初期・骨頭の安定肩甲上神経
棘下筋大結節(中部)外旋肩甲上神経
小円筋大結節(下部)外旋腋窩神経
肩甲下筋小結節内旋肩甲下神経
大円筋小結節内旋・内転・伸展肩甲下神経
広背筋小結節内旋・内転・伸展胸背神経
大胸筋大結節内旋・内転・屈曲内側・外側胸筋神経
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