学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ31A110

理由で解く 柔道整復師

QJ31A110 運動学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問110
問題
股関節を伸展するのはどれか。
選択肢
1 大殿筋
2 腸腰筋
3 長内転筋
4 大腿筋膜張筋
解答
正解1(大殿筋)
解説

股関節を伸展させるのは大殿筋である。他の3筋はいずれも股関節の運動軸の前方または外側を通り、屈曲・内転・外転側に働く。

大殿筋は腸骨翼外面・仙骨後面・尾骨・仙結節靱帯から起こり、浅層は腸脛靱帯へ、深層は大腿骨の殿筋粗面に停止する(下殿神経支配)。走行が股関節の前額水平軸より後方を通るため、股関節を伸展し、同時に外旋させる。歩行の平地では活動が比較的少ないが、椅子からの立ち上がり、階段や坂を上る、走る、といった体を起こす場面で強く働くのが特徴である。股関節伸展にはハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)も共同で働き、大殿筋は「大きな力を出すとき」「股関節伸展の主動作筋」として押さえておく。筋の作用は、起始と停止を線で結んだときにその線が関節の運動軸のどちら側を通るかで決まる、と考えると暗記量が減る。

✓ 1. 該当する
大殿筋
腸骨翼外面・仙骨・尾骨・仙結節靱帯から腸脛靱帯および殿筋粗面へ。運動軸の後方を通るため伸展・外旋に働く。下殿神経支配。立ち上がりや階段昇りで主役となる。
✗ 2. 該当しない
腸腰筋
大腰筋と腸骨筋からなり、小転子に停止する股関節屈曲の主動作筋。運動軸の前方を通るため、伸展とは逆向きに働く。
✗ 3. 該当しない
長内転筋
恥骨結節付近から大腿骨粗線内側唇に停止し、内転を主作用とする(屈曲も補助する)。閉鎖神経支配。
✗ 4. 該当しない
大腿筋膜張筋
上前腸骨棘から起こり腸脛靱帯に移行する。外転・屈曲・内旋に働き、上殿神経支配。中殿筋とともに立脚期の骨盤の安定に関与する。
ポイント
  • 股関節伸展の主動作筋は大殿筋(下殿神経)。補助はハムストリングス
  • 大殿筋は伸展+外旋。立ち上がり・階段昇り・走行など、体を起こす場面で強く働く
  • 股関節屈曲の主動作筋は腸腰筋(大腰筋+腸骨筋、小転子に停止)
  • 外転は中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋(上殿神経)、内転は内転筋群(閉鎖神経)
  • 作用の判断は「起始と停止を結んだ線が運動軸の前を通るか後ろを通るか」で考える
比較表
停止主作用神経支配
大殿筋腸脛靱帯・殿筋粗面伸展・外旋下殿神経
腸腰筋小転子屈曲大腿神経・腰神経叢の枝
長内転筋大腿骨粗線内側唇内転(屈曲補助)閉鎖神経
大腿筋膜張筋腸脛靱帯外転・屈曲・内旋上殿神経
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