学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ31A104

理由で解く 柔道整復師

QJ31A104 生理学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問104
問題
ホルモンと働きの組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 アルドステロン-骨形成の促進
2 グルカゴン様ペプチドー1ー- グルカゴン分泌促進
3 グレリン-摂食促進
4 セクレチン胃酸分泌促進
解答
正解3(グレリン-摂食促進)
解説

グレリンは主に胃から分泌され、視床下部に働いて食欲を高める「空腹のホルモン」です。したがって「グレリン—摂食促進」の組合せが正しく、正解は3です。

グレリンは空腹時に胃底部の内分泌細胞から分泌が増え、視床下部弓状核のNPY/AgRPニューロンを刺激して摂食行動を促すほか、下垂体前葉からの成長ホルモン分泌も促進します。食事をとると分泌は低下します。脂肪細胞から出て摂食を抑えるレプチンとちょうど反対の働きをする、と対で覚えると混乱しません。他の3つも、産生部位と標的を押さえれば消去できます。アルドステロンは副腎皮質球状帯から分泌され、腎の集合管でNa⁺再吸収とK⁺排泄を促して体液量を保つホルモンで、骨代謝を担うのは副甲状腺ホルモン・カルシトニン・活性型ビタミンDです。GLP-1は食事に反応して小腸L細胞から出るインクレチンで、血糖を下げる方向に働きます。セクレチンは酸性の内容物が十二指腸に届いたときにS細胞から分泌され、膵臓から重炭酸イオンに富む膵液を出させて中和する、いわば「酸を鎮める」ホルモンです。

✗ 1. 誤り
アルドステロン-骨形成の促進
アルドステロンは副腎皮質球状帯から分泌される電解質コルチコイドで、腎集合管でのNa⁺再吸収とK⁺排泄を促し、循環血液量と血圧を保ちます。骨形成に直接関与するホルモンではありません。
✗ 2. 誤り
グルカゴン様ペプチドー1ー- グルカゴン分泌促進
GLP-1はグルカゴン分泌を「抑制」します。名前に「グルカゴン様」とありますが働きは逆向きで、インスリン分泌促進・グルカゴン分泌抑制・胃排出遅延・食欲抑制と、いずれも血糖を下げる方向です。名称に引きずられないよう注意します。
✓ 3. 正しい
グレリン-摂食促進
グレリンは空腹時に胃から分泌が増え、視床下部弓状核に作用して摂食を促します。成長ホルモン分泌促進作用も併せ持ち、食後には分泌が低下します。
✗ 4. 誤り
セクレチン胃酸分泌促進
セクレチンは胃酸分泌を「抑制」します。十二指腸に酸性の粥状液が流入するとS細胞から分泌され、重炭酸イオンに富む膵液を出させて中和し、同時にガストリン分泌と胃酸分泌を抑えます。胃酸分泌を促すのはガストリンです。
ポイント
  • グレリン=胃から・空腹時に増える・摂食促進。レプチン(脂肪細胞・摂食抑制)と対で覚える。
  • アルドステロン=副腎皮質球状帯、集合管でNa⁺再吸収・K⁺排泄。骨代謝はPTH・カルシトニン・活性型ビタミンDの担当。
  • GLP-1=小腸L細胞のインクレチン。インスリン分泌促進、グルカゴン分泌は抑制
  • セクレチン=十二指腸S細胞。重炭酸に富む膵液を出させ、胃酸分泌は抑制。促進側はガストリン。
  • 消化管ホルモンは「どこから出て、何をきっかけに、何を止める/進めるか」の3点セットで整理すると取り違えにくい。
比較表
ホルモン産生部位主な刺激主な働き
アルドステロン副腎皮質 球状帯アンジオテンシンII、高K⁺血症集合管でNa⁺再吸収・K⁺排泄 → 体液量維持
GLP-1小腸 L細胞食物(特に糖)の流入インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、胃排出遅延、食欲抑制
グレリン胃(胃底部)空腹摂食促進、成長ホルモン分泌促進
セクレチン十二指腸 S細胞十二指腸内の酸重炭酸に富む膵液の分泌促進、胃酸分泌抑制
ガストリン胃 幽門前庭部 G細胞タンパク・胃の伸展胃酸分泌促進
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