学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ31A083

理由で解く 柔道整復師

QJ31A083 生理学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問83
問題
交感神経の作用はどれか。
選択肢
1 縮瞳
2 心拍数の減少
3 糖新生の促進
4 腸管運動の亢進
解答
正解3(糖新生の促進)
解説

交感神経は「闘争か逃走」に備える方向に働き、肝臓での糖新生とグリコーゲン分解を促して血糖を上げる。

交感神経が優位になると、瞳孔は散大し、心拍数と心収縮力は増え、気管支は拡張し、骨格筋の血管は広がる一方で、消化管の運動と分泌は抑えられる。エネルギー供給の面では、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生が進み、脂肪組織では脂肪分解が進んで、血中のブドウ糖と遊離脂肪酸が増える。副腎髄質から出るアドレナリンもこれを後押しする。選択肢を見たときは「すぐ走り出すのに有利な変化か」で仕分けると、暗記に頼らず判断できる。

✓ 3. 正しい
糖新生の促進
交感神経の興奮とアドレナリンは、肝臓のグリコーゲン分解と糖新生を促し、血糖を上げる。活動に必要なブドウ糖をただちに血中へ供給するための反応である。膵臓に対してはα₂受容体を介してインスリン分泌を抑える方向に働く点も合致する。
✗ 1. 誤り
縮瞳
縮瞳は副交感神経(動眼神経の副交感線維→毛様体神経節→瞳孔括約筋)の作用である。交感神経は瞳孔散大筋をα₁受容体を介して収縮させ、散瞳を起こす。
✗ 2. 誤り
心拍数の減少
心拍数を下げるのは迷走神経(副交感神経)で、洞房結節のムスカリン受容体を介する。交感神経はβ₁受容体を介して心拍数・収縮力・興奮伝導速度をいずれも高める。
✗ 4. 誤り
腸管運動の亢進
消化管の運動と分泌を高めるのは副交感神経である。交感神経は運動・分泌を抑え、括約筋を収縮させて内容の移動を止める方向に働く。
ポイント
  • 交感神経=散瞳・心拍数増加・気管支拡張・消化管抑制・血糖上昇。「戦うか逃げるか」で一括して思い出す。
  • 肝臓ではグリコーゲン分解と糖新生が進み、血糖が上がる。インスリン分泌はα₂を介して抑制される。
  • 瞳孔は「散大筋=交感(α₁)/括約筋=副交感(ムスカリン)」で対にして覚える。
  • 消化管は副交感が働かせ、交感が止める。括約筋は逆に交感で締まる。
  • 汗腺は交感神経支配だが伝達物質はアセチルコリン、という例外も押さえておく。
比較表
器官・機能交感神経副交感神経
瞳孔散瞳(α₁)縮瞳(M)
心拍数増加(β₁)減少(M₂)
気管支拡張(β₂)収縮(M₃)
腸管運動抑制亢進
肝の糖代謝グリコーゲン分解・糖新生を促進(血糖上昇)目立った作用はない
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