学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ31A084

理由で解く 柔道整復師

QJ31A084 生理学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問84
問題
筋紡錘を受容器とするのはどれか。
選択肢
1 屈曲反射
2 伸張反射
3 前庭反射
4 交叉性伸展反射
解答
正解2(伸張反射)
解説

筋紡錘は筋の長さと引き伸ばされる速さを感じ取る受容器で、これを受容器とする代表が伸張反射(腱反射)である。

筋紡錘は骨格筋の中に紡錘形に埋め込まれた受容器で、数本の錘内筋線維と、それに巻きつく感覚終末(Ia群・II群)、および錘内筋線維を支配するγ運動神経終末が、結合組織の被膜に包まれてできている。錘内筋線維は筋紡錘そのものではなく、その構成要素の一つである。筋が引き伸ばされると錘内筋線維も引き伸ばされ、巻きついた感覚終末が変形してIa群求心線維が発火する。Ia線維は後根から脊髄に入り、同じ筋を支配するα運動ニューロンに単シナプス性に興奮を伝えるため、伸ばされた筋がただちに収縮する。膝蓋腱を叩くと大腿四頭筋が収縮する膝蓋腱反射がその典型で、筋の長さを一定に保つ負のフィードバックとして働いている。よく対比される腱紡錘(ゴルジ腱器官)は筋の張力を感じ、Ib線維を介して同じ筋を抑制する(自原抑制)ので、感じる対象と反射の向きの両方で区別しておく。

✓ 2. 正しい
伸張反射
受容器は筋紡錘。筋が伸ばされるとIa線維が興奮し、単シナプス性にα運動ニューロンを興奮させて同じ筋が収縮する。反射弓が最も単純なため潜時が短く、臨床では腱反射として筋・末梢神経・脊髄の状態を評価するのに使われる。
✗ 1. 誤り
屈曲反射
受容器は皮膚の侵害受容器(自由神経終末)である。痛み刺激が加わると介在ニューロンを介して屈筋が収縮し、その肢を引っ込める多シナプス反射で、逃避反射とも呼ばれる。
✗ 3. 誤り
前庭反射
受容器は内耳の前庭器、すなわち半規管の膨大部稜と耳石器の平衡斑である。頭の回転や傾きに応じて眼球運動や姿勢筋の緊張を調節する。
✗ 4. 誤り
交叉性伸展反射
屈曲反射と対になって起こり、反対側の伸筋が収縮して体重を支える反射である。出発点となる受容器は屈曲反射と同じ皮膚の侵害受容器で、筋紡錘ではない。
ポイント
  • 筋紡錘=筋の長さと伸張速度を感知、Ia群線維、単シナプス性の伸張反射。
  • 腱紡錘(ゴルジ腱器官)=筋の張力を感知、Ib群線維、抑制性に働く(自原抑制)。
  • 伸張反射の反射弓は「筋紡錘→Ia線維→後根→α運動ニューロン→同名筋」で、シナプスが1つだけ。
  • γ運動ニューロンは筋紡錘を構成する錘内筋線維を収縮させ、筋が短くなっても感覚終末の感度が保たれる(錘内筋線維は筋紡錘そのものではなく構成要素の一つ)。
  • 屈曲反射・交叉性伸展反射は皮膚の侵害受容器が出発点で、多シナプス性。
比較表
反射受容器特徴
伸張反射筋紡錘(Ia線維)単シナプス性。伸ばされた筋が収縮する
Ib抑制(自原抑制)腱紡錘(Ib線維)張力が高まると同じ筋を抑制する
屈曲反射皮膚の侵害受容器多シナプス性。刺激側の屈筋が収縮
交叉性伸展反射皮膚の侵害受容器対側の伸筋が収縮して支持する
前庭反射半規管の膨大部稜・耳石器の平衡斑眼球運動と姿勢の調節
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