学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §10 感覚器系 / QJ31A079

理由で解く 柔道整復師

QJ31A079 解剖学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問79
問題
平衡斑があるのはどれか。
選択肢
1 前庭
2 蝸牛管
3 鼓室階
4 半規管
解答
正解1(前庭)
解説

平衡斑(卵形嚢斑・球形嚢斑)は前庭の中にある卵形嚢と球形嚢の壁にあり、頭の傾きと直線加速度を感じ取る。

内耳は側頭骨錐体の中の骨迷路(前庭・骨半規管・蝸牛)と、その中に浮かぶ膜迷路からなる。骨迷路の中央部である前庭には、膜迷路の袋である卵形嚢と球形嚢が入っており、その壁の一部が肥厚した部分が平衡斑である。平衡斑では有毛細胞の感覚毛が、耳石(平衡砂)を載せたゼラチン状の耳石膜に埋まっている。頭を傾けたり直線的に加速したりすると、重い耳石が慣性で遅れてずれ、感覚毛が曲がって前庭神経が興奮する。回転を感じる膨大部稜(半規管)、音を感じるラセン器(蝸牛管)と合わせ、「装置・刺激・場所」を三点セットで押さえると整理できる。

✓ 1. 正しい
前庭
前庭は骨迷路の中央にあり、卵形嚢と球形嚢を入れている。卵形嚢斑はほぼ水平面、球形嚢斑はほぼ垂直面を向いており、水平方向と垂直方向の直線加速度・頭位変化を分担して受け取る。信号は前庭神経を通って脳幹の前庭神経核へ送られる。
✗ 2. 誤り
蝸牛管
蝸牛管は膜迷路の蝸牛部分で、内リンパに満たされる。基底板の上に載るラセン器(コルチ器)が音の振動を電気信号へ変える聴覚の装置であり、平衡斑は存在しない。
✗ 3. 誤り
鼓室階
鼓室階は蝸牛管の下側にある外リンパで満たされた通路で、蝸牛頂で前庭階とつながり、蝸牛窓(正円窓)に終わる。音の振動を逃がす経路であって、感覚上皮そのものは置かれていない。
✗ 4. 誤り
半規管
前・後・外側の3本が互いにほぼ直交して並び、それぞれの膨大部にある膨大部稜が回転(角)加速度を受け取る。感覚毛が埋まっているのは耳石を載せた膜ではなくクプラであり、平衡斑とは装置も刺激も異なる。
ポイント
  • 平衡斑=卵形嚢斑・球形嚢斑。前庭の中にあり、耳石(平衡砂)を用いて直線加速度と頭の傾きを検出する。
  • 膨大部稜=半規管の膨大部にあり、クプラを用いて回転(角)加速度を検出する。
  • ラセン器(コルチ器)=蝸牛管の基底板上にあり、聴覚を担う。
  • 前庭神経+蝸牛神経=内耳神経(第Ⅷ脳神経)。内耳道を通る。
  • 骨迷路の中は外リンパ、膜迷路の中は内リンパ。前庭階・鼓室階は外リンパ腔。
  • 耳石がはがれて半規管に迷い込むと良性発作性頭位めまい症を起こす。
比較表
場所感覚装置受け取る刺激神経
前庭(卵形嚢・球形嚢)平衡斑(耳石膜+耳石)直線加速度・頭の傾き前庭神経
半規管(膨大部)膨大部稜(クプラ)回転(角)加速度前庭神経
蝸牛管ラセン器(コルチ器)音(振動)蝸牛神経
前庭階・鼓室階なし(外リンパ腔)振動を伝える通路
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