学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §4 柔道整復師法 / QJ31A047

理由で解く 柔道整復師

QJ31A047 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問47
問題
開設時の立入検査で正しいのはどれか。
選択肢
1 厚生労働大臣の代理で地方厚生局が行う。
2 裁判官が発する令状が必要である。
3 立入検査を拒めない。
4 弁護士が立ち会う。
解答
正解3(立入検査を拒めない。)
解説

立入検査を正当な理由なく拒んだり妨げたりすると罰則の対象になるため、事実上拒むことはできません。よって正しい記述は3です。

柔道整復師法第20条は、都道府県知事(保健所を設置する市の市長、特別区の区長)が必要と認めるときに、施術所の開設者や柔道整復師に報告を求め、または職員に施術所へ立ち入って構造設備や衛生上の措置の実施状況を検査させることができると定めています。開設届の受理後に、届け出られた平面図どおりの設備になっているか、衛生管理が保たれているかを確認するために行われるものです。検査の対象はこの2点に限られており、個々の施術内容の当否を裁くものではありません。またこれは行政上の検査であり、犯罪の証拠を集める捜査とは目的が異なるため、裁判官の令状は必要ありません。法にも「この立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」と明記されています。一方で、報告をしない・虚偽の報告をする・検査を拒む、妨げる、忌避するといった行為には罰金の罰則が置かれているため、応じるのが法的な義務です。検査に来た職員は身分を示す証明書を携帯し、提示を求められたら示すことになっています。

✗ 1. 誤り
厚生労働大臣の代理で地方厚生局が行う。
柔道整復師法に基づく施術所への立入検査の主体は都道府県知事等であり、地方厚生局ではありません。地方厚生局が関わるのは受領委任の申し出の受理や、療養費に関する指導・監査といった保険の領域です。
✗ 2. 誤り
裁判官が発する令状が必要である。
行政上の立入検査であり令状は不要です。法は「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」と定めており、刑事手続の捜索・差押えとは性質が異なります。
✓ 3. 正しい
立入検査を拒めない。
検査を拒み、妨げ、忌避した場合や、報告をしない・虚偽の報告をした場合には30万円以下の罰金が科されます。検査で見られるのは構造設備と衛生上の措置なので、日頃から、施術室6.6平方メートル以上・待合室3.3平方メートル以上・換気・消毒設備といった構造設備が届け出た平面図どおりに保たれているか、消毒や清掃の記録が残っているか、業務に従事する柔道整復師の氏名の届出内容が現況と合っているか、を整えておけば落ち着いて対応できます。なお施術録の作成・保存は受領委任の取扱規程に基づく別の義務であり、柔道整復師法第20条の立入検査の対象ではありません。職員の身分証明書の提示を求めることもできるので、その点も知っておくとよいでしょう。
✗ 4. 誤り
弁護士が立ち会う。
弁護士の立会いを必要とする規定はありません。開設者や管理する柔道整復師が対応し、求められた事項について説明・提示を行います。
ポイント
  • 立入検査の主体は都道府県知事(保健所設置市の市長・特別区の区長)とその職員。
  • 検査対象は構造設備と衛生上の措置の実施状況。施術内容の当否を裁くものではない。
  • 行政上の検査なので令状は不要。ただし「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」と法に明記。
  • 報告拒否・虚偽報告・検査の拒否/妨害/忌避には30万円以下の罰金がある。
  • 職員は身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があれば提示する。
  • 施術録の作成・保存は受領委任の取扱規程(保険の領域)に基づく別の義務で、柔道整復師法第20条の立入検査の対象ではない。法の領域(都道府県知事等)と保険の領域(地方厚生局)を混同しない。
比較表
項目柔道整復師法の立入検査刑事手続の捜索・差押え
主体都道府県知事等の職員司法警察職員・検察官
目的構造設備・衛生上の措置の確認犯罪の証拠収集
令状不要裁判官の令状が必要
拒否した場合30万円以下の罰金令状により強制執行
身分の提示証明書を携帯し請求があれば提示令状を示す
【混同注意】受領委任に関する指導・監査は地方厚生局と都道府県が行うもので、根拠も対象も柔道整復師法第20条の立入検査とは別。施術録はこの受領委任の取扱規程に基づく書類。
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