学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §4 柔道整復師法 / QJ31A048

理由で解く 柔道整復師

QJ31A048 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問48
問題
柔道整復師法で誤っているのはどれか。
選択肢
1 守秘義務違反は禁固に処せられる。
2 広告制限に違反した者は罰金に処せられる。
3 違反行為者だけでなく法人代表者も罰則規定がある。
4 虚偽または不正の事実で免許を受けた者は罰金に処せられる。
解答
正解1(守秘義務違反は禁固に処せられる。)
解説

柔道整復師の守秘義務違反に定められているのは50万円以下の罰金で、禁錮などの自由刑ではありません。設問は誤っているものを問うているので、正答は1です。

柔道整復師法第17条の2は「柔道整復師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。柔道整復師でなくなつた後においても、同様とする」と定めています。これに違反した場合の罰則は第29条第1項で50万円以下の罰金と定められ、しかも同条第2項により告訴がなければ公訴を提起できない親告罪です。50万円以下の罰金となるのは、ほかに無免許で柔道整復を業とした場合(第15条違反)と、虚偽または不正の事実に基づいて免許を受けた場合です。30万円以下の罰金は第30条にまとめられており、業務停止命令期間中の業務、医師の同意を得ない脱臼・骨折患部への施術、施術所の届出義務違反、広告制限違反、報告や立入検査の拒否などが該当します。さらに第32条の両罰規定により、従業者等が第30条第4号から第7号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか法人または個人にも罰金刑が科されます。

なお、柔道整復師法で自由刑が登場するのは第26条〜第28条だけで、対象はいずれも柔道整復師本人ではなく指定登録機関・指定試験機関の側です(第26条=役職員等の秘密保持義務違反、第27条=登録事務・試験事務の停止命令違反、第28条=不正の採点)。その法定刑は「1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」という選択刑であって、拘禁刑と罰金の併科ではありません。関係法規では法定刑の「形式」そのものが問われるので、「〜又は〜」(どちらか)と「〜及び〜/併科」(両方)の書き分けは正確に覚えてください。

日々の実務では、家族や紹介元への連絡も含めて患者情報を扱う前に本人の同意を確認し、判断に迷うときは施術所の管理者や保険者・行政の窓口に相談する、という手順を決めておくと安全です。

✓ 1. これが答え(誤っている記述)
守秘義務違反は禁固に処せられる。
守秘義務(第17条の2)違反の罰則は50万円以下の罰金で(第29条第1項)、禁錮は定められていません。加えて告訴がなければ公訴を提起できない親告罪です(同条第2項)。義務そのものは柔道整復師でなくなった後も続く点も併せて押さえてください。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
広告制限に違反した者は罰金に処せられる。
広告できる事項は第24条で限定列挙されており、これに違反した者は30万円以下の罰金に処せられます(第30条)。技能・施術方法・経歴に関する広告ができない点も頻出です。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
違反行為者だけでなく法人代表者も罰則規定がある。
第32条の両罰規定です。法人の代表者や代理人・使用人その他の従業者が業務に関して第30条第4号から第7号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人にも各本条の刑(罰金刑)が科されます。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
虚偽または不正の事実で免許を受けた者は罰金に処せられる。
第29条第1項に該当し、50万円以下の罰金です。あわせて、虚偽または不正の事実により免許を受けたことは免許の取消し等の行政処分の対象にもなります。
ポイント
  • 守秘義務(第17条の2)は柔道整復師でなくなった後も続く。違反は50万円以下の罰金で、告訴がなければ起訴できない親告罪。
  • 50万円以下の罰金(第29条)=無免許で柔道整復を業とした/守秘義務違反/虚偽または不正の事実で免許を受けた。
  • 30万円以下の罰金(第30条)=業務停止命令期間中の業務、医師の同意のない脱臼・骨折患部への施術、都道府県知事の指示違反、施術所への処分・命令違反、広告制限違反、施術所の届出義務違反、報告・立入検査の拒否。
  • 両罰規定(第32条)=従業者等が第30条第4〜7号の違反をすると、行為者に加えて法人または個人にも罰金刑。
  • 柔道整復師本人の業務に関する罰則は罰金刑のみ。自由刑(拘禁刑。改正前の懲役・禁錮)が定められているのは第26条〜第28条で、対象は指定登録機関・指定試験機関の側(役職員等の秘密保持義務違反、登録事務・試験事務の停止命令違反、不正の採点)に限られる。
  • その第26条〜第28条の法定刑は「1年以下の拘禁刑 又は 50万円以下の罰金」という選択刑で、拘禁刑と罰金の併科ではない。関係法規では「又は(どちらか)」と「及び・併科(両方)」の書き分けが問われる。
  • 患者情報は家族や紹介元への連絡も含めて本人の同意を確認してから扱い、迷ったら管理者や保険者・行政の窓口に相談する。
比較表
法定刑主な対象条文
50万円以下の罰金無免許で柔道整復を業とした/守秘義務違反(親告罪)/虚偽・不正の事実で免許を受けた第29条
30万円以下の罰金業務停止命令期間中の業務/医師の同意のない脱臼・骨折患部への施術/知事の指示違反/施術所への処分・命令違反/広告制限違反/施術所の届出義務違反/報告・立入検査の拒否第30条
行為者+法人・個人にも罰金刑従業者等が第30条第4号〜第7号の違反行為をしたとき(両罰規定)第32条
1年以下の拘禁刑 又は 50万円以下の罰金
(選択刑。併科ではない)
指定登録機関・指定試験機関の役職員等の秘密保持義務違反(第26条)/登録事務・試験事務の停止命令違反(第27条)/不正の採点(第28条)。いずれも柔道整復師本人の業務に対する罰則ではない第26〜28条
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