学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §32 足関節外側靱帯損傷の診察 / QJ31A033

理由で解く 柔道整復師

QJ31A033 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問33
問題
新鮮な足関節外側靱帯I度損傷の所見はどれか。
選択肢
1 限局した圧痛がある。
2 アライメントの異常がみられる。
3 関節が一定の角度に固定される。
4 健側と明らかに異なる外観を呈する。
解答
正解1(限局した圧痛がある。)
解説

足関節外側靱帯のI度損傷は靱帯線維の微小な損傷にとどまるため、所見は限局した圧痛が中心になります。

靱帯損傷はI度(伸張・微小損傷)、II度(部分断裂)、III度(完全断裂)に分けられます。I度では靱帯の連続性が保たれているので不安定性はなく、腫脹も軽度で、前距腓靱帯の走行部に一致した限局性の圧痛が主な手がかりです。逆に、明らかな変形や関節の異常な位置関係、弾発性固定といった所見は、靱帯損傷の範囲を超えて脱臼や骨折を示唆します。したがってI度と判断した場合でも、荷重時痛の程度や骨性の圧痛(外果先端、第5中足骨基部など)を確認し、疑わしければ画像評価のため医師へつなぐ手順を踏みます。

✓ 1. 正しい
限局した圧痛がある。
損傷した靱帯の走行に一致して、指1本で示せる範囲の圧痛が認められます。不安定性がなく腫脹も軽度であることと合わせて、I度損傷と判断する根拠になります。
✗ 2. 誤り
アライメントの異常がみられる。
骨の位置関係の異常は脱臼や骨折を示す所見です。靱帯のI度損傷では関節の位置関係は保たれています。
✗ 3. 誤り
関節が一定の角度に固定される。
弾発性固定は脱臼に特徴的な所見です。I度損傷では自動・他動運動とも可能で、疼痛による制限にとどまります。
✗ 4. 誤り
健側と明らかに異なる外観を呈する。
健側と比べて一目で分かるほどの変形や著明な腫脹は、III度損傷や脱臼骨折を疑う所見です。I度損傷の外観の変化はごく軽度です。
ポイント
  • I度=靱帯の微小損傷。限局した圧痛が主体で、腫脹は軽度、不安定性はない。
  • II度=部分断裂で腫脹・圧痛が広がり軽度の不安定性、III度=完全断裂で著明な腫脹と明らかな不安定性。
  • 変形・アライメント異常・弾発性固定は靱帯損傷ではなく脱臼を示唆する所見。
  • 足関節外側では前距腓靱帯がもっとも損傷されやすい。内反強制が典型的な機序。
  • 骨性圧痛や荷重不能があれば骨折を疑い、画像評価のため医師へ紹介する。
比較表
程度病態圧痛腫脹不安定性
I度微小損傷(伸張)限局軽度なし
II度部分断裂やや広範中等度軽度〜中等度
III度完全断裂広範著明明らか
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。