学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §32 足関節外側靱帯損傷の診察 / QJ32A033

理由で解く 柔道整復師

QJ32A033 必修問題

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問33
問題
足関節前距腓靱帯損傷時の前方引き出し検査で正しいのはどれか。
選択肢
1 足背を把持する。
2 膝関節を伸展位とする。
3 足関節背屈位で行う。
4 距骨に内旋を加える。
解答
正解4(距骨に内旋を加える。)
解説

足関節前方引き出し検査は、前距腓靱帯の制動が失われているかをみる検査です。距骨に内旋(内転)を加えると靱帯が緊張し、前外側への亜脱臼が誘発されて所見が明瞭になります。

前距腓靱帯は外果前縁から距骨頸に向かって前内方へ走り、距骨の前方移動と内旋を制動しています。したがって検査では、その走行に一致する方向へ動かすことで緩みが最もよく現れます。実施は背臥位または座位で膝を屈曲させて下腿三頭筋を緩め、足関節を軽度底屈位に保ち、一方の手で下腿遠位を固定し、他方の手で踵骨を把持して前方へ引き出しながら距骨に内旋を加えます。健側と比べて前方移動量が大きい、あるいは終末感が失われていれば陽性で、判定は必ず左右差で行います。

✓ 4. 正しい
距骨に内旋を加える。
前距腓靱帯は距骨の前方移動と内旋を制動しているため、内旋を加えると靱帯が緊張し、断裂していれば前外側への亜脱臼が誘発されて所見がはっきりします。単に前方へ引くだけより検出しやすくなります。
✗ 1. 誤り
足背を把持する。
把持するのは踵骨(踵部)で、後方から包むように保持して前方へ引き出します。足背を持つと距骨下関節や足根中足部が動いてしまい、距腿関節の動揺を正しく捉えられません。
✗ 2. 誤り
膝関節を伸展位とする。
膝伸展位では二関節筋である腓腹筋が緊張して足関節を後方から引き止めるため、前方移動が制限されて偽陰性になりやすくなります。膝は屈曲位にして下腿三頭筋を緩めます。
✗ 3. 誤り
足関節背屈位で行う。
距骨滑車は前方が幅広いため、背屈位では滑車が距腿関節にしっかり嵌り込んで安定し、動揺が出にくくなります。前距腓靱帯が緊張する軽度底屈位で行うのが原則です。
ポイント
  • 前距腓靱帯は外果前縁から距骨頸へ。距骨の前方移動と内旋を制動する。
  • 肢位は膝屈曲位(腓腹筋を緩める)+足関節軽度底屈位(靱帯を緊張させる)。
  • 把持は踵骨。下腿遠位を固定し、踵を前方へ引き出す。
  • 距骨に内旋を加えると前外側への亜脱臼が誘発され、陽性所見が明瞭になる。
  • 判定は健側との左右差で。移動量の増大と終末感の消失を確認する。
比較表
条件適切理由
膝関節屈曲位腓腹筋を緩め、足関節の動きを妨げない
足関節軽度底屈位前距腓靱帯が緊張し、距骨滑車も嵌り込まない
把持部位踵骨距腿関節の動きを直接捉えられる
加える回旋内旋靱帯の走行に一致し、前外側亜脱臼を誘発
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