学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §31 アキレス腱断裂の固定 / QJ31A032

理由で解く 柔道整復師

QJ31A032 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問32
問題
アキレス腱断裂で施術の適応を決める際、特に慎重に判断を要するのはどれか。
選択肢
1 重労働者
2 部分断裂
3 医科受診前提の処置
4 インフォームドコンセントのうえでの施術希望
解答
正解1(重労働者)
解説

アキレス腱断裂で保存的な施術の適応を決めるとき、もっとも慎重な判断を要するのは重労働者です。求められる機能水準が高く、再断裂や筋力低下が生活に直結するためです。

アキレス腱断裂には保存療法と手術療法があり、断端が接触するかどうか、年齢、活動量などから選択します。重労働者やスポーツ選手のように強い底屈力を日常的に使う人では、保存療法でも治癒は得られるものの、腱が延長治癒して底屈筋力が低下したり、再断裂の危険が相対的に高くなったりする点が問題になります。したがってこうした例では、施術者の判断だけで保存療法を進めるのではなく、医師の診察を受けて手術を含む選択肢の説明を受けたうえで、職業復帰の時期や必要な機能を本人と共有して方針を決めることが求められます。

✓ 1. 正しい
重労働者
職業上、強い底屈力と耐久性が必要で、再断裂や筋力低下の影響が大きい対象です。医師と連携して手術療法を含む選択肢を検討し、復帰時期の見通しを本人と共有したうえで適応を判断します。
✗ 2. 誤り
部分断裂
断端の連続性が保たれている部分断裂は、むしろ保存療法の良い適応です。慎重な判断を特に要する条件にはあたりません。
✗ 3. 誤り
医科受診前提の処置
医師の診察につなぐ前提での応急処置は、柔道整復師が行える対応そのものです。むしろ望ましい流れであり、適応判断に迷う要素にはなりません。
✗ 4. 誤り
インフォームドコンセントのうえでの施術希望
治療法の利点と限界を説明し、理解と同意を得たうえでの希望であれば、方針を進めるための条件が整っている状態です。慎重な判断が特に必要な因子ではありません。
ポイント
  • アキレス腱断裂の適応判断では、断裂の程度に加えて「その人に必要な機能水準」を評価する。
  • 重労働者・スポーツ選手は再断裂や底屈筋力低下の影響が大きく、手術療法が選択されやすい。
  • 部分断裂や断端が接触する例は保存療法の良い適応となる。
  • 応急処置を行ったうえで医師の診察につなぎ、選択肢を説明して本人と方針を共有する。
  • 保存療法を選ぶ場合も、底屈位からの段階的な角度調整と経過観察の計画を最初に立てておく。
比較表
条件保存療法手術療法が検討されやすい
部分断裂良い適応通常は不要
底屈位で断端が接触する適応となりうる
断端の離開が大きい不利該当
重労働者・競技者慎重な判断が必要該当
高い活動性を求めない高齢者選択されやすい
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