学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §31 アキレス腱断裂の固定 / QJ30A033

理由で解く 柔道整復師

QJ30A033 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問33
問題
アキレス腱断裂に対する固定で圧迫による皮膚障害が生じやすい部位はどれか。
選択肢
1 下腿中央
2 断裂部
3 踵部
4 足弓部
解答
正解3(踵部)
解説

アキレス腱断裂の固定では足関節を底屈位に保つため、後方から圧を受け続ける踵部に皮膚障害(褥瘡)が生じやすいとされます。

踵部は踵骨隆起が後方に突出し、皮下組織が薄く、固定材からの圧が一点に集まりやすい部位です。加えてアキレス腱断裂では腱の緊張を緩める目的で足関節を底屈位(尖足位)で固定するため、踵の後方が副子やギプスに押しつけられた状態が続きます。予防としては踵部に綿花やパッドを当てて圧を分散させ、副子の縁が食い込まないように成形し、下腿後面全体で受けるように当てることが大切です。固定後は疼痛の増悪・熱感・しびれの訴えがないかを確認し、必要に応じて固定を外して皮膚の色調を観察します。押しても消えない発赤が残る場合は、その時点で固定を調整します。

✓ 3. 正しい
踵部
骨が突出し皮下組織が薄いうえ、底屈位固定によって後方から圧が集中します。骨突出部+薄い軟部組織+持続的圧迫という褥瘡の条件がそろうため、最も注意すべき部位です。
✗ 1. 誤り
下腿中央
下腿中央は下腿三頭筋の筋腹があり、接触面積が広く圧が分散されます。骨突出による一点集中が起こりにくい部位です。
✗ 2. 誤り
断裂部
断裂部は腫脹や圧痛の観察が必要な部位ですが、骨の突出がないため圧迫による皮膚障害の好発部位とはいえません。
✗ 4. 誤り
足弓部
足弓部(足底のアーチ)はもともと床や副子から浮いている構造で、持続的な圧迫を受けにくい部位です。
ポイント
  • 褥瘡は「骨突出+薄い軟部組織+持続的圧迫」で起こる。踵部はこの3条件がそろう。
  • アキレス腱断裂は足関節底屈位で固定するため、踵後方への圧が続く。
  • 予防は踵部のパッド・綿花による除圧、副子の縁の成形、接触面積を広くとる当て方。
  • 固定後は疼痛の増悪・熱感・しびれを確認し、必要に応じて外して皮膚色を観察する。
  • 消退しない発赤を認めたら、その時点で固定を調整する。
比較表
部位骨の突出圧の集中皮膚障害のリスク
踵部踵骨隆起があり大きい底屈位固定で後方から持続的に集中高い(要除圧)
下腿中央なし(筋腹)広く分散低い
断裂部なし分散。ただし腫脹の観察は必要低い
足弓部なし(アーチ状に浮く)接触しにくい低い
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