学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §21 肘内障の診察および整復 / QJ31A021
理由で解く 柔道整復師
肘内障の本態は、橈骨頭に対して輪状靱帯がずれ込む亜脱臼です。関節包の中で起こるわずかなずれなので、腫脹も変形もエックス線の異常も出ないのが最大の特徴です。
好発は1〜4歳の幼小児です。この年齢の橈骨頭はまだ丸みに乏しく輪状靱帯との間に遊びがあるため、前腕が回内した状態で手を急に引かれると橈骨頭が遠位へ滑り、輪状靱帯の近位縁が橈骨頭を乗り越えて腕橈関節に入り込みます。骨折や靱帯断裂ではないので出血がなく、患児は肘軽度屈曲・前腕回内位で上肢を下げたまま使わなくなります(偽性麻痺)。整復は前腕の回外(または回内)と肘屈曲を組み合わせて輪状靱帯を元の位置に戻す操作で、整復時にクリックを触知し、直後から患肢を自分で使い始めるのが確認点です。逆に、腫脹・変形・皮下出血が明らかなときや、整復操作で疼痛が続くときは、上腕骨顆上骨折・外側顆骨折・橈骨頸部骨折などを考えて、エックス線検査ができる医療機関の受診を勧めます。
| 所見 | 肘内障 | 上腕骨顆上骨折 | 内側側副靱帯損傷 |
|---|---|---|---|
| 好発年齢 | 1〜4歳 | 5〜10歳 | 投球動作を行う年代以降 |
| 受傷機転 | 前腕回内位での牽引(手を引かれる) | 転倒して手をつく(過伸展) | 肘への外反ストレス |
| 腫脹・変形 | なし | 著明 | 内側部に腫脹・圧痛 |
| 外反動揺性 | なし | 骨性の異常可動性 | あり |
| 単純エックス線 | 異常なし | 骨折線・fat pad sign など | 骨には異常なし(ストレス撮影で開大) |
| 対応 | 徒手整復が可能 | 速やかに医療機関へ | 固定と後療。程度により医師と連携 |
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