学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §21 肘内障の診察および整復 / QJ31A022

理由で解く 柔道整復師

QJ31A022 必修問題

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問22
問題
肘内障の原因で前腕にかかる力はどれか。
選択肢
1 牽引と回内
2 牽引と回外
3 圧迫と回内
4 圧迫と回外
解答
正解1(牽引と回内)
解説

肘内障は、前腕が回内した状態で長軸方向に牽引されることで生じます。したがって前腕にかかる力は「牽引と回内」です。

典型例は、保護者が子どもの手を急に引き上げた瞬間です。前腕回内位では橈骨頭の関節面が輪状靱帯に対して安定しにくく、そこへ長軸方向の牽引が加わると橈骨頭が遠位へずれ、輪状靱帯が橈骨頭を乗り越えて腕橈関節内に嵌入します。受傷肢位が「牽引+回内」であることを押さえると、整復操作がその逆をたどる(牽引を保ちながら前腕を回外し、肘を屈曲していく)ことも自然に理解できます。着地や転倒などで加わる圧迫(軸圧)は、肘内障ではなく骨折の機序です。

✓ 1. 正しい
牽引と回内
手を引かれる=長軸方向の牽引、そのときの前腕の肢位=回内。この2つが揃うことで橈骨頭が輪状靱帯から抜け出します。受傷機転を保護者から聴取できれば、それ自体が診断の大きな手がかりになります。
✗ 2. 誤り
牽引と回外
牽引は正しいものの、回外は整復のときに用いる方向であって受傷肢位ではありません。受傷時と整復時で回旋方向が逆になる点が、この問題の狙いです。
✗ 3. 誤り
圧迫と回内
回内は正しいものの、力の方向が逆です。長軸方向の圧迫(軸圧)が加わる状況では、橈骨頭は輪状靱帯から抜け出せず、むしろ橈骨頸部骨折などが問題になります。
✗ 4. 誤り
圧迫と回外
力の方向・回旋方向ともに受傷機転と一致しません。肘内障は「引っぱられて起こる」外傷である、という一点を押さえておけば選ばれません。
ポイント
  • 受傷機転は「牽引+前腕回内」。手を引き上げられた直後に発症する。
  • 整復は受傷の逆をたどる。牽引を保ちながら前腕回外+肘屈曲(回内法を用いる流儀もある)。
  • 圧迫(軸圧)は骨折の機序であり、肘内障の機序ではない。
  • 整復後は疼痛が消え、患児が自分から上肢を使い始めることが整復完了の目安になる。
比較表
要素受傷時に加わる力整復操作
長軸方向牽引される軽い牽引を保つ
前腕の回旋回内回外へ誘導する(回内法もある)
肘関節ほぼ伸展位屈曲していく
結果輪状靱帯が橈骨頭を越えて嵌入輪状靱帯が元の位置に戻る(クリック)
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