学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §21 肘内障の診察および整復 / QJ32A021
理由で解く 柔道整復師
肘内障は、幼小児の橈骨頭が輪状靱帯から一時的に外れた(亜脱臼した)状態です。肘軽度屈曲・前腕回内位で上肢を下垂したまま動かさないのが典型像で、腫脹・皮下出血・変形はほとんど目立ちません。
2〜6歳ごろの橈骨頭はまだ丸みに乏しく輪状靱帯も緩いため、手を強く引かれると輪状靱帯が橈骨頭を乗り越えて関節裂隙に滑り込みます。関節包や靱帯が大きく破綻するわけではないので、関節内出血や滑膜の強い炎症は起こらず、外見は健側とほぼ変わりません。だからこそ「見た目がほぼ正常なのに腕を使わない」ことが最大のヒントになります。逆に著明な腫脹・皮下出血・明らかな変形があるときは肘内障らしくないサインで、上腕骨顆上骨折や外側顆骨折、肘関節脱臼などを念頭に医師の診察へつなぎます。とくに肘関節後方脱臼では、肘頭が後方へ突出し、他動的に動かそうとしても弾力的に戻る弾発性固定を示す点が肘内障との大きな違いです。
| 所見 | 肘内障 | 上腕骨顆上骨折・肘関節脱臼 |
|---|---|---|
| 年齢 | 2〜6歳中心 | 学童期以降にも多い |
| 受傷機転 | 手を引かれる(牽引) | 転倒・手をついた(強い外力) |
| 腫脹 | ほとんどない | 著明 |
| 皮下出血 | なし | あり(時間経過とともに顕在化) |
| 変形 | なし | あり(肘頭の後方突出、ヒューター三角の乱れ) |
| 肢位 | 肘軽度屈曲・前腕回内・上肢下垂 | 脱臼:肘軽度屈曲位での弾発性固定(他動運動に抵抗し元に戻る)/顆上骨折:疼痛のため自動運動が不能 |
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