学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ30P121
理由で解く 柔道整復師

足関節を他動的に背屈させたうえで外旋を加えて痛みが増すのは、遠位脛腓間を押し開く操作にあたる。別冊No.5の圧痛部(×印)も外果の前上方、脛骨と腓骨の間に置かれており、前脛腓靱帯損傷、いわゆる足関節果部より高い位置で起こる「高位捻挫」を考える。
距骨滑車は前方が幅広く後方が狭い。そのため足関節を背屈すると幅の広い前方部が脛骨と腓骨の間に入り込み、脛腓間はもともと押し広げられる方向に緊張する。ここへさらに外旋が加わると、距骨が腓骨を外側後方へ押し出し、前脛腓靱帯が強く引き伸ばされる。外返しで踏ん張った際に足部が外側へ、下腿が内側へねじれる形になった受傷機転とも合致する。別冊No.5は右足部を外側からみた外観写真で、×印は外果の丸い隆起より上方かつ前方、ちょうど遠位脛腓関節の前面にあたり、前脛腓靱帯の走行部と一致する。徒手検査では外旋ストレステスト(足を背屈位で外旋させる)やスクイーズテスト(下腿中央で脛骨と腓骨を握り込むと遠位脛腓間に痛みが放散する)で確かめる。前脛腓靱帯損傷は通常の内返し捻挫より治癒に時間がかかり、脛腓間の離開が残ると足関節の適合性が崩れて変形性関節症につながる。腓骨近位部の骨折を伴うメゾヌーブ骨折の可能性もあるので、腓骨全長の圧痛を確認したうえで画像評価を医師に依頼し、初期は荷重を制限して固定する。
| 靱帯 | 受傷肢位 | 圧痛部位 | 誘発テスト |
|---|---|---|---|
| 前脛腓靱帯 | 背屈+外旋(外返し) | 外果前上方の脛腓間 | 外旋ストレステスト、スクイーズテスト |
| 前距腓靱帯 | 底屈+内返し | 外果の前方〜前下方 | 前方引き出しテスト |
| 踵腓靱帯 | 背屈位での内返し | 外果の下方 | 内反ストレステスト |
| 三角靱帯 | 外返し(外反)+外旋 | 内果の下方 | 外反ストレステスト |
| 二分靱帯 | 底屈+内返し | 足根洞前方・足背外側 | 足部の内転強制で疼痛 |
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