学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ30P117
理由で解く 柔道整復師
下腿外側から足背のしびれに加えて大殿筋の筋力低下がある。二つを同時に説明できるのは、下殿神経と坐骨神経がともに通る殿部=梨状筋部の高さの障害である。
下腿外側から足背にかけての感覚はおもに浅腓骨神経(L5領域)が担う。この範囲のしびれだけなら、腓骨頭での総腓骨神経絞扼でも説明できてしまう。しかし大殿筋を支配するのは下殿神経(L5〜S2)であり、これは骨盤内で仙骨神経叢から分かれ、梨状筋下孔を通って殿部へ出る神経である。腓骨頭という末梢のレベルでは大殿筋は決して弱らない。つまり「大殿筋の筋力低下がある」時点で、障害部位は下殿神経が分かれるより近位、すなわち坐骨神経と下殿神経が並んで梨状筋下孔を通過する高さに絞られる。腰部に圧痛がないことも、腰椎由来ではなく殿部の絞扼であることを支持する。確認すべきは梨状筋部(大転子と仙骨を結ぶ線の中央付近)の圧痛で、あわせてFAIR肢位(股関節屈曲・内転・内旋)での症状再現、SLRとの比較、下垂足の有無を診る。工事現場での長時間のしゃがみ込みや重量物運搬など、殿部を圧迫する作業姿勢の聴取も欠かせない。
| 圧痛部位 | 絞扼される神経 | 感覚障害の範囲 | 運動障害 |
|---|---|---|---|
| 梨状筋部 | 坐骨神経・下殿神経 | 大腿後面〜下腿外側〜足背 | 大殿筋、下腿の筋群 |
| 上前腸骨棘内側部 | 外側大腿皮神経 | 大腿外側 | なし(知覚枝) |
| 内転筋管出口部 | 伏在神経 | 下腿内側〜足内側 | なし(知覚枝) |
| 腓骨頭後方部 | 総腓骨神経 | 下腿外側〜足背 | 下垂足(前脛骨筋など) |
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