学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ30P116
理由で解く 柔道整復師
手関節掌側の膨隆(ガングリオンなど)が尺骨神経管(ギヨン管)で尺骨神経を圧迫した状態。母指内転筋の麻痺をみるフローマン徴候が陽性となる。
尺骨神経は、豆状骨と有鈎骨鉤の間にできるギヨン管を通って手掌に入り、その中で感覚を担う浅枝と運動を担う深枝に分かれる。この部で圧迫されると、環指尺側と小指のしびれ・疼痛、手掌尺側の感覚障害が出る。一方、手背尺側の感覚は手関節より近位で分岐する背側枝が担うため保たれるのが特徴で、これが肘部管症候群(手背尺側の感覚も障害される)との区別点になる。深枝が障害されると骨間筋・虫様筋(第3・4)・母指内転筋が麻痺する。紙を母指と示指ではさませると、母指内転筋が働かないため長母指屈筋で代わりに押さえようとし、母指IP関節が屈曲する。これがフローマン徴候である。進行すれば鷲手変形や第1背側骨間筋の萎縮が現れる。原因はガングリオン、有鈎骨鉤骨折、自転車のハンドルによる長時間の圧迫などで、本例のように3週前からの膨隆と一致する神経症状があれば、腫瘤の評価と神経障害の程度の判定のため医師へ紹介する。
| 項目 | ギヨン管症候群 | 肘部管症候群 | 手根管症候群 |
|---|---|---|---|
| 絞扼部位 | 豆状骨と有鈎骨鉤の間 | 肘内側(尺骨神経溝) | 手根管(横手根靱帯下) |
| 障害神経 | 尺骨神経(手関節部) | 尺骨神経(肘部) | 正中神経 |
| 感覚障害 | 手掌尺側のみ(手背尺側は保たれる) | 手掌・手背とも尺側 | 母指〜環指橈側の掌側 |
| 陽性となる検査 | フローマン徴候 | フローマン徴候、肘屈曲テスト、チネル徴候 | ファーレンテスト、チネル徴候 |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。