学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ30P110
理由で解く 柔道整復師
肩関節前方脱臼の亜型は「上腕がどの角度で固定されるか」と「見かけの長さ」で見分ける。水平位での弾発性固定+上腕の短縮は鎖骨下脱臼の像である。
外転・伸展位で手を衝くと、上腕骨頭は関節包の前下方を破って前方へ逸脱する。骨頭が落ち着く位置によって烏口下・鎖骨下・腋窩(関節窩下)脱臼に分けられ、上腕の肢位と見かけの長さは「骨頭がどこへ行ったか」で型ごとに決まる。烏口下脱臼では骨頭が烏口突起の下にとどまるため、上腕は軽度外転・内旋位にとどまり、やや延長して見える。鎖骨下脱臼では骨頭が烏口突起を越えて鎖骨の下方、すなわち内上方まで転位するため、上腕はほぼ水平位まで外転した位置で弾発性に固定され、健側と比べて短縮して見える。腋窩脱臼では骨頭が関節窩の下方(腋窩)へ落ち込むため、上腕は水平位を越える著明な外転〜挙上位をとり、延長して見える。三型のうち短縮するのは鎖骨下脱臼だけであり、そこが本問の決め手になる。高齢者では関節包や腱板の脆弱化により転位が大きくなりやすい。いずれの型でも肩峰の突出(肩峰下の空虚)、三角筋部の膨隆消失、モーレンハイム窩の膨隆を確認し、あわせて腋窩神経(三角筋部外側の感覚)と橈骨動脈拍動を必ずチェックしてから整復・搬送の判断を行う。
| 脱臼型 | 骨頭の位置 | 上腕の肢位 | 見かけの長さ |
|---|---|---|---|
| 烏口下脱臼(前方) | 烏口突起の下 | 軽度外転・内旋 | やや延長 |
| 鎖骨下脱臼(前方) | 鎖骨の下(内上方) | ほぼ水平位の外転 | 短縮 |
| 腋窩脱臼(前方) | 関節窩下方・腋窩 | 著明な外転〜挙上位 | 延長 |
| 肩峰下脱臼(後方) | 肩峰の下・後方 | 内転・内旋位(外旋不能) | 変化に乏しい |
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