学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ30P107
理由で解く 柔道整復師
数週間続く咳が肋骨に繰り返し牽引力を加えて起こった肋骨の疲労骨折(介達外力による骨折)。肋骨には上肢や体幹を動かす筋が付着するため、上肢を動かすと骨折部が引かれて痛む。
激しい咳の反復は、外腹斜筋・腹直筋・前鋸筋などが肋骨を繰り返し引っ張る形になり、第5〜9肋骨の側方(前腋窩線〜中腋窩線あたり)に疲労骨折を生じさせる。骨折は骨膜下の亀裂にとどまることが多く、直達外力による骨折と違って腫脹や皮下出血ははっきりしない。所見の中心は限局性圧痛と介達痛(骨折部から離れた胸郭を前後や側方から圧迫すると骨折部が痛む)、そして深呼吸・咳・体幹回旋での疼痛である。第7肋骨には前鋸筋・大胸筋・外腹斜筋などが付着するので、上肢を挙上したり水平内転させたりするとこれらの筋が肋骨を引き、疼痛が誘発される。対応は、呼吸を妨げない程度のテーピングや固定帯で胸郭の動揺を抑えることと、咳そのものの治療(百日咳の管理)を医師に委ねること。呼吸困難、血痰、皮下気腫があれば気胸・血胸を疑って直ちに紹介する。
| 項目 | 介達外力(咳・体幹の捻転) | 直達外力(打撲) |
|---|---|---|
| 骨折部位 | 第5〜9肋骨の側方 | 外力が当たった部位 |
| 骨片の転位 | 少ない(亀裂・不全骨折) | 内方へ転位しやすい |
| 腫脹・皮下出血斑 | 目立たない | みられる |
| 軋轢音 | 通常触れない | 触れることがある |
| 合併症 | 少ない | 気胸・血胸・肺損傷に注意 |
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