学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ30P106

理由で解く 柔道整復師

QJ30P106 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問106
問題
20歳の男性。大学ラグビーの試合中にタックルを受け転倒し頭部を打った。最初に確認しなければならないのはどれか。
選択肢
1 頭部陥凹
2 耳鼻出血
3 意識障害
4 打撃部腫脹
解答
正解3(意識障害)
解説

頭部外傷でまず確認するのは意識の状態です。正しいのは3です。

競技中の頭部外傷では、生命に直結する頭蓋内病変を見逃さないことが最優先です。呼吸と循環が保たれていることを確かめたら、次に確認するのが意識レベルで、これは脳の機能そのものを反映する指標だからです。受傷直後の意識消失の有無、その持続時間、受け答えのかみ合い方、健忘の範囲を評価します。硬膜外血腫では、受傷直後に一時的に意識が戻る意識清明期を経て急速に悪化することがあるため、「今は話せているから大丈夫」とは判断できません。意識障害を認める場合はもちろん、脳振盪が疑われる時点でその日の競技復帰はさせず、頸椎の保護に留意しながら医療機関へ搬送します。頭部の陥凹や耳鼻からの出血も重要な所見ですが、いずれも意識状態を確認したうえで続けて評価する項目です。

✓ 3. 正しい
意識障害
意識レベルは脳の機能を直接反映し、頭蓋内病変の有無と重症度を判断する最初の指標です。呼びかけへの反応、見当識、受傷前後の健忘を確認します。異常があれば直ちに救急要請し、頸椎損傷の合併を想定して愛護的に扱います。
✗ 1. 誤り
頭部陥凹
陥没骨折を示す重要な所見ですが、確認の順序としては意識状態のあとです。触知する際は強く押さず、創がある場合は清潔なガーゼで保護します。
✗ 2. 誤り
耳鼻出血
頭蓋底骨折による髄液漏を示唆する所見で、これも見逃せません。ただし最初に確認すべきは意識状態です。髄液漏を疑う場合は鼻をかませず、耳鼻をふさがずに搬送します。
✗ 4. 誤り
打撃部腫脹
打たれた部位の皮下血腫(たんこぶ)の有無は受傷部位の情報になりますが、頭蓋内の状態とは必ずしも相関しません。腫脹が目立たなくても重篤な頭蓋内出血が起こりうるため、判断の根拠にはできません。
ポイント
  • 頭部外傷の評価は、呼吸・循環の確認に続いて意識レベルの評価。これが最優先。
  • 意識消失の有無と持続時間、健忘の範囲、受け答えの一貫性を確認する。
  • 硬膜外血腫は意識清明期を経て急変しうる。受傷直後に元気でも安心材料にはならない。
  • 脳振盪が疑われたらその日の競技復帰はさせない。段階的復帰は医師の判断のもとで進める。
  • 頸椎損傷の合併を想定し、頭頸部を保護して搬送する。嘔吐、痙攣、片麻痺、瞳孔不同、耳鼻からの出血・髄液漏は緊急搬送の指標。
比較表
優先順位確認項目意味
1気道・呼吸・循環生命維持の基本
2意識レベル脳機能の直接指標。頭蓋内病変の重症度判断
3瞳孔・麻痺・痙攣・嘔吐頭蓋内圧亢進・局所症状
4耳鼻出血・髄液漏、頭部陥凹頭蓋底骨折・陥没骨折の徴候
5打撃部の腫脹・創受傷部位の情報。重症度とは相関しない
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