学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ30P105
理由で解く 柔道整復師
下腿に創を負ったまま練習を続け、3日後に発赤・熱感・腫脹の増強と38.5℃の発熱が出ている。創からの感染による蜂窩織炎と、腫脹による区画内圧上昇=急性コンパートメント症候群の両方を考え、いずれも直ちに医師へ紹介する。
下袴への血液付着は、足払いを受けた下腿に皮膚の傷ができていたことを示す。ここから細菌が真皮深層から皮下組織に侵入すれば蜂窩織炎となり、境界の不明瞭な発赤・熱感・腫脹・圧痛に発熱が加わる。放置すると壊死性軟部組織感染症や敗血症へ進み得るため、抗菌薬治療が必要である。もう一つ、反復する打撲による筋内出血と炎症性の腫脹は、下腿の閉じた筋区画の内圧を高める。安静にしていても増強する強い疼痛、区画の緊満感、他動的伸張痛が急性コンパートメント症候群の早期の手がかりで、脈拍消失や麻痺が出るのは末期であり、それを待って判断してはならない。放置すれば筋の阻血壊死からフォルクマン拘縮に至るため、疑った時点で施術と圧迫を中止し、患肢は心臓の高さに保って(挙上しすぎると灌流圧がさらに下がる)直ちに医師へ搬送する。柔道の練習では、皮膚に傷ができた時点で洗浄と被覆を行い、練習を中断して経過をみるよう平素から指導しておく。
| 疾患 | 経過 | 発熱・発赤 | 決め手 |
|---|---|---|---|
| 蜂窩織炎 | 創から数日 | あり | 境界不明瞭な発赤・熱感・圧痛+発熱 |
| 急性コンパートメント症候群 | 受傷後数時間〜数日 | 局所の緊満・熱感 | 安静時痛、他動的伸張痛、区画の緊満 |
| シンスプリント | 数週の使いすぎ | なし | 脛骨内側縁中下1/3のびまん性圧痛 |
| 脛骨悪性骨腫瘍 | 数週〜数か月 | ときにあり | 夜間痛、進行する腫脹、画像での骨破壊 |
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