学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ30P092
理由で解く 柔道整復師
股関節後方脱臼では大腿骨頭が寛骨臼より後上方へ移動するため、患肢は延長ではなく短縮します。誤りは1です。
後方脱臼の典型は、股関節屈曲・内転位で膝を前方から強打される、いわゆるダッシュボード損傷です。大腿骨長軸方向の外力が骨頭を後方へ押し出し、腸骨脱臼(後上方)または坐骨脱臼(後下方)となります。骨頭が本来の位置より後上方へ移るため、患肢は屈曲・内転・内旋位をとって弾発性に固定され、下肢は短縮し、大転子は高位となります。前方のスカルパ三角は骨頭が抜けた分だけ空虚に触れ、後方の殿部には骨頭による膨隆を触知します。対比として押さえたい前方脱臼は、骨頭の落ち込む高さによって低位型(恥骨下脱臼=閉鎖孔脱臼)と高位型(恥骨上脱臼)に分かれます。覚え方は「後方=屈曲・内転・内旋・短縮」「前方の低位型(恥骨下=閉鎖孔脱臼)=屈曲・外転・外旋・延長」とペアにするのが基本で、これに高位型(恥骨上脱臼)は股関節伸展・外旋位をとり、下肢は延長せず短縮〜不変という例外を一つ添えておくと、実際の病像とずれません。
| 項目 | 後方脱臼(腸骨・坐骨脱臼) | 前方脱臼・低位型(恥骨下脱臼=閉鎖孔脱臼) |
|---|---|---|
| 肢位 | 屈曲・内転・内旋 | 屈曲・外転・外旋 |
| 下肢長 | 短縮 | 延長 |
| 骨頭の触知 | 殿部で膨隆 | 鼠径部・大腿内側で膨隆 |
| 空虚となる部位 | スカルパ三角(前方) | 殿部(後方) |
| 合併症 | 坐骨神経麻痺、寛骨臼後壁骨折、骨頭壊死 | 大腿動静脈・大腿神経の圧迫 |
| 同じ前方脱臼でも高位型(恥骨上脱臼)は | — | 股関節伸展・外旋位。下肢は延長せず短縮〜不変 |
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