学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §20 各論(脱臼) 下肢 / QJ29P095

理由で解く 柔道整復師

QJ29P095 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問95
問題
足の第1MP 関節脱臼で誤っているのはどれか。
選択肢
1 背側脱臼が多い。
2 Z字型変形を呈する。
3 趾は延長してみえる。
4 開放性脱臼となることがある。
解答
正解3(趾は延長してみえる。)
解説

足の第1MP(中足趾節)関節脱臼は背側脱臼が大多数で、基節骨が中足骨頭の背側に乗り上げるため趾は短縮してみえる。「延長してみえる」が誤りである。

高所からの落下やつま先の強い背屈強制で、掌(底)側板が中足骨頭から剝がれ、基節骨基部が中足骨頭の背側へ移動する。MP関節は過伸展位、IP関節は屈曲位となり、全体としてジグザグに折れ曲がったZ字型変形を呈する。骨が前後に重なるため趾の長さは短くみえ、足底側には突出した中足骨頭を触知できる。底側板や種子骨、屈筋腱が関節間に嵌入すると徒手整復が困難になるので、いきなり長軸方向へ牽引せず、過伸展位を保ちながら基節骨基部を中手(中足)骨頭に沿って滑らせる操作が原則となる。強い外力では中足骨頭が足底の皮膚を突き破り開放性脱臼となることがあり、その場合は感染予防を優先して速やかに医師へ引き継ぐ。

✓ 3. これが誤り(設問の答え)
趾は延長してみえる。
基節骨が中足骨頭の背側へ乗り上げて前後に重なるため、趾の長さは実際には短くみえる。延長してみえるのは牽引によって関節面が離開したときの所見であり、背側脱臼の外観とは逆になる。したがってこれが設問の答えとなる。
✗ 1. 正しい(答えではない)
背側脱臼が多い。
つま先の背屈強制で底側板が破綻し、基節骨が背側へ移動する。第1MP関節脱臼の大多数が背側脱臼であり、記述は正しい。
✗ 2. 正しい(答えではない)
Z字型変形を呈する。
MP関節が過伸展、IP関節が屈曲することで側方からみるとジグザグの外観となる。背側脱臼の典型的な変形であり、記述は正しい。
✗ 4. 正しい(答えではない)
開放性脱臼となることがある。
足底側の皮膚は薄く、突出した中足骨頭が皮膚を破ることがある。開放性となった場合は創部を保護し感染予防を最優先に医師へ引き継ぐ。記述は正しい。
ポイント
  • 背側脱臼が大多数。機序は底側板の破綻を伴う背屈強制。
  • MP過伸展+IP屈曲でZ字型変形。骨が重なるため趾は短縮してみえる。
  • 足底に中足骨頭を触知でき、皮膚を破って開放性脱臼となることがある。
  • 底側板・種子骨・屈筋腱の嵌入で整復困難となるため、先行する強い牽引は避ける。
  • 「短縮=乗り上げ」「延長=離開」と対にして覚えると迷わない。
比較表
項目足 第1MP関節背側脱臼手 母指MP関節背側脱臼
機序つま先の背屈強制、落下母指の外転・伸展強制
変形Z字型(MP過伸展・IP屈曲)Z字型(MP過伸展・IP屈曲)
長さの見え方短縮してみえる短縮してみえる
整復を妨げるもの底側板・種子骨・屈筋腱の嵌入掌側板・種子骨・長母指屈筋腱の嵌入
整復の原則先行牽引を避け、過伸展位から滑らせるまず過伸展を強め、接触を保って屈曲へ導く
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