学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ30P091
理由で解く 柔道整復師
PIP関節背側脱臼にそのまま末梢牽引を加えると、めくれ上がった掌側板が関節内に引き込まれて嵌頓し、徒手整復のできない複雑脱臼になる。ここでは牽引ではなく、過伸展を加えてから基節骨頭に沿わせて押し込む。
PIP関節背側脱臼は、指に過伸展が強制されて中節骨基部が基節骨頭の背側へ乗り上げるもので、このとき掌側板は基節骨頭側の付着部で剥がれ、背側にめくれた状態になっている。長軸方向に引っ張ると関節の隙間が開き、その隙間に掌側板や側副靱帯が滑り込む。いったん挟まると関節面の間で噛み込んで、どれだけ牽引しても戻らず観血的整復を要する。正しい手順は、まず脱臼位(過伸展位)をわずかに強めて中節骨基部を基節骨頭の背側に確実に乗せ、そこから基節骨頭の輪郭に沿わせるように中節骨基部を滑らせて押し込むこと。整復後は側副靱帯と掌側板の損傷程度を確かめ、軽度屈曲位で短期間固定したうえで、隣接指と組むテーピング(buddy taping)に移して早期から可動域を保つ。同じ理由で母指・示指のMP関節背側脱臼でも単純牽引は避ける。
| 損傷 | 末梢牽引 | 整復の要点 |
|---|---|---|
| PIP関節背側脱臼 | 禁忌 | 過伸展位から基節骨頭に沿わせて押し込む |
| 母指CM関節脱臼 | 用いる | 牽引+中手骨基部を押し戻し外転・伸展位へ |
| 月状骨脱臼 | 用いる | 背屈位で牽引→月状骨を押し戻しつつ掌屈 |
| 遠位橈尺関節脱臼 | 用いる | 回内外を調整して牽引+尺骨頭に直圧 |
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