学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ30P090
理由で解く 柔道整復師
肘関節後方脱臼では、上腕骨内側上顆・外側上顆・肘頭がつくるヒューター三角の位置関係が崩れる。顆上骨折では三角が保たれる点が鑑別の決め手になる。
肘関節後方脱臼は、肘を軽く曲げて手をついた際に前腕が後方へ押し上げられ、鉤状突起が上腕骨滑車を乗り越えて後方へ移動することで起こる。外観では肘頭が後方に突出し、前方には上腕骨遠位端が触れる。弾発性固定は約30〜40度の軽度屈曲位で、この肢位で上腕三頭筋腱が索状に緊張して触れる。合併しやすい骨折は鉤状突起骨折、橈骨頭骨折、若年者では内側上顆骨折で、鉤状突起骨折と橈骨頭骨折をともに伴うものはterrible triadと呼ばれ予後が悪い。ヒューター線(伸展位で3点が一直線)とヒューター三角(屈曲90度で二等辺三角形)は骨性の指標であり、脱臼では骨そのものの位置関係が動くため乱れる。一方、顆上骨折は骨折線が三角の近位にあるので3点の関係は保たれる。整復後は血管・神経(上腕動脈、正中神経、尺骨神経)の確認と、骨折合併の評価のため医師への紹介を行う。
| 項目 | 肘関節後方脱臼 | 上腕骨顆上骨折(伸展型) |
|---|---|---|
| ヒューター三角・線 | 乱れる | 保たれる |
| 前腕長 | 短縮してみえる | 正常 |
| 固定性 | 弾発性固定(約30〜40度屈曲位) | 異常可動性・軋轢音 |
| 好発年齢 | 青壮年に多い | 小児に多い |
| 合併しやすい損傷 | 鉤状突起・橈骨頭・内側上顆骨折 | 正中神経・上腕動脈損傷、内反肘 |
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