学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ30P086

理由で解く 柔道整復師

QJ30P086 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問86
問題
図に示した機序で生じるのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 チロー(Tillaux)骨折
2 腓骨裂離骨折
3 脛骨内果斜骨折
4 距骨頸部骨折
解答
正解2(腓骨裂離骨折)、3(脛骨内果斜骨折)
解説

2つ選ぶ問題です。腓骨(外果)の裂離骨折と脛骨内果の斜骨折が組になるのは足関節の内反(回外・内転)強制であり、2と3が答えになります。

足関節果部骨折は、外力の向きによって「引き剥がされる側」と「押し割られる側」が決まります。内反が強制されると、まず外側の外果に付く外側側副靱帯(前距腓靱帯・踵腓靱帯)が緊張し、靱帯が断裂するか、あるいは腓骨(外果)を引き剥がして裂離骨折を生じます。それでも力が続くと距骨が内側へ傾き、脛骨内果を内下方から突き上げるように押すため、内果に剪断力が働いて斜め(縦に近い)の骨折線が入ります。「外側は引かれて裂離(骨折線は横)、内側は押されて斜骨折」という対比で理解すると、外反強制の場合(内果が裂離、外果が斜骨折・螺旋骨折)も裏返しで導けます。

✓ 2. この機序で生じる(=答え)
腓骨裂離骨折
内反が強制されると外側側副靱帯が緊張し、付着部である外果を引き剥がします。靱帯の牽引による裂離なので骨折線は横走することが多く、外側靱帯損傷との鑑別が問題になります。
✓ 3. この機序で生じる(=答え)
脛骨内果斜骨折
内反した距骨が内果を内下方から突き上げ、剪断力によって斜めの骨折線が生じます。押される側なので裂離とは骨折線の向きが異なるのが特徴です。
✗ 1. この機序では生じない(=答えではない)
チロー(Tillaux)骨折
前脛腓靱帯の牽引によって脛骨遠位骨端の前外側部が裂離する骨折で、足部の外旋(回外・外旋)で生じます。実在する骨折型ですが、内反による機序とは力の向きが異なります。
✗ 4. この機序では生じない(=答えではない)
距骨頸部骨折
足関節が強く背屈され、脛骨前縁が距骨頸部に食い込むことで生じます。果部の内反・外反の機序とは別で、距骨体部の阻血性壊死に注意が必要な骨折です。
ポイント
  • 足関節の内反(回外・内転)強制→外果は靱帯に引かれて裂離骨折、内果は距骨に押されて斜骨折
  • 外反(回内・外転)強制ではこれが逆転し、内果が裂離骨折、外果が斜骨折・螺旋骨折になる
  • 「引かれる側は裂離(横骨折)、押される側は斜骨折」で骨折線の向きまで説明できる
  • チロー骨折=前脛腓靱帯の牽引による脛骨遠位骨端前外側部の裂離。外旋で生じる
  • 距骨頸部骨折=強い背屈で脛骨前縁が食い込む。距骨体部の阻血性壊死に注意する
比較表
強制される方向外側(腓骨・外果)内側(脛骨・内果)
内反(回外・内転)靱帯に引かれて裂離骨折(横走)距骨に押されて斜骨折
外反(回内・外転)距骨に押されて斜骨折・螺旋骨折三角靱帯に引かれて裂離骨折(横走)
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