学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ30P085

理由で解く 柔道整復師

QJ30P085 柔道整復理論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問85
問題
下腿骨近位端部骨折と原因の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 脛骨顆部骨折→-長軸方向の圧迫
2 腓骨頭単独骨折-膝関節の外転
3 脛骨粗面骨折-大腿四頭筋の収縮
4 脛骨顆間隆起骨折ー・ー前十字靱帯の牽引
解答
正解2(腓骨頭単独骨折-膝関節の外転)
解説

腓骨頭単独骨折は大腿二頭筋腱と外側側副靱帯の牽引による裂離骨折で、膝の内転(内反)強制で生じます。「膝関節の外転」とした2が誤りで、これが答えです。

下腿近位端部の骨折は、どの方向の力が、どの構造を引くのか押すのかで整理できます。膝が内転(内反)強制されると外側が離開し、腓骨頭に付く大腿二頭筋腱と外側側副靱帯が骨片を引き剥がして腓骨頭裂離骨折となります。この部位は総腓骨神経が腓骨頸を回るため、下垂足や第1・2趾間の感覚障害の有無を必ず確認します。逆に外転(外反)強制では内側が離開して内側側副靱帯が損傷し、外側では脛骨外顆が大腿骨顆部に押しつけられて陥没する脛骨外顆骨折が起こります。「引かれる側が裂離、押される側が圧迫・陥没」という対比が理解の軸になります。

✓ 2. これが誤り(=答え)
腓骨頭単独骨折-膝関節の外転
腓骨頭の裂離骨折は内転(内反)強制で外側が引き離されて生じます。外転(外反)強制では内側側副靱帯損傷や脛骨外顆骨折が問題になるため、力の向きが逆になっています。
✗ 1. 正しい組合せ(=答えではない)
脛骨顆部骨折→-長軸方向の圧迫
高所からの転落や転倒で大腿骨顆部が脛骨関節面に打ち込まれ、陥没や骨折を生じます。関節内骨折なので関節血腫を伴い、後の変形性変化に注意します。
✗ 3. 正しい組合せ(=答えではない)
脛骨粗面骨折-大腿四頭筋の収縮
ジャンプの踏み切りや着地で膝伸展機構(大腿四頭筋→膝蓋腱)が急激に働き、付着部である脛骨粗面が裂離します。膝の自動伸展が困難になります。
✗ 4. 正しい組合せ(=答えではない)
脛骨顆間隆起骨折ー・ー 前十字靱帯の牽引
前十字靱帯の脛骨付着部が顆間隆起にあるため、靱帯が強く緊張すると靱帯自体ではなく骨側が裂離します。骨端線が残る小児で起こりやすい形です。
ポイント
  • 腓骨頭裂離骨折=内転(内反)強制。大腿二頭筋腱と外側側副靱帯の牽引による
  • 腓骨頸を総腓骨神経が回るため、下垂足・第1・2趾間の感覚障害を必ず確認する
  • 外転(外反)強制→内側側副靱帯損傷+脛骨外顆の圧迫骨折(陥没)
  • 脛骨粗面骨折=大腿四頭筋の急激な収縮による裂離。膝の自動伸展が困難になる
  • 顆間隆起骨折=前十字靱帯の牽引による裂離。小児では靱帯より骨側が先に負ける
比較表
骨折機序併せて確認すること
腓骨頭単独骨折膝の内転(内反)強制→大腿二頭筋腱・外側側副靱帯の牽引総腓骨神経麻痺(下垂足)
脛骨外顆骨折膝の外転(外反)強制→外側が圧迫内側側副靱帯損傷
脛骨顆部骨折長軸方向の圧迫関節血腫、関節面の陥没
脛骨粗面骨折大腿四頭筋の急激な収縮膝自動伸展の可否
脛骨顆間隆起骨折前十字靱帯の牽引前方不安定性、関節血腫
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