学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ30P061

理由で解く 柔道整復師

QJ30P061 整形外科学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問61
問題
骨形成不全症で正しいのはどれか。
選択肢
1 視覚障害を合併する。
2 ステロイド薬が有効である。
3 骨折の癒合は比較的良好である。
4 Ⅱ型コラーゲンの形成異常が原因である。
解答
正解3(骨折の癒合は比較的良好である。)
解説

骨形成不全症はⅠ型コラーゲンの合成異常による全身性の骨脆弱疾患である。骨折はしやすいが仮骨形成は保たれており、骨癒合そのものは比較的良好なので3が正しい。

常染色体優性遺伝の形をとることが多く、COL1A1・COL1A2遺伝子の変異によってⅠ型コラーゲンが量的または質的に障害される。Ⅰ型コラーゲンは骨だけでなく皮膚、腱、強膜、象牙質にも広く分布するため、易骨折性に加えて青色強膜、進行性難聴、歯牙(象牙質)形成不全、関節弛緩、脊柱変形といった多彩な症状を伴う。骨折は通常どおり癒合するが、骨そのものが脆いために長管骨の弯曲変形や再骨折を残しやすい。治療はビスホスホネート製剤による骨量の増加を基本とし、装具や髄内釘で変形と再骨折を防ぎ、骨折時には適切な固定を行いつつ、廃用を防ぐため安全な範囲での運動を早期から続けることが大切である。

✗ 1. 誤り
視覚障害を合併する。
強膜のコラーゲンが薄くなり下層の脈絡膜が透けて青くみえる青色強膜は本症の特徴だが、これは色調の変化であって視力低下そのものではない。合併しやすい感覚器の障害は聴覚障害(学童期以降に現れる進行性難聴)である。
✗ 2. 誤り
ステロイド薬が有効である。
用いられるのは破骨細胞による骨吸収を抑えて骨密度を高めるビスホスホネート製剤である。ステロイドは骨形成を抑制して骨密度を下げるため、骨脆弱性をかえって悪化させる。
✓ 3. 正しい
骨折の癒合は比較的良好である。
コラーゲンの質は劣るものの仮骨形成の過程自体は営まれるため、癒合の遅延は目立たない。ただし骨が脆く変形治癒や再骨折を来しやすいので、良肢位での確実な固定と、癒合後の変形予防・転倒予防が重要になる。
✗ 4. 誤り
Ⅱ型コラーゲンの形成異常が原因である。
原因はⅠ型コラーゲンの形成異常である。Ⅱ型コラーゲンは関節軟骨(硝子軟骨)や椎間板髄核の主成分で、その異常は脊椎骨端異形成症などの軟骨系の疾患を引き起こす。骨の主要コラーゲンはⅠ型と結び付けて覚える。
ポイント
  • 原因はⅠ型コラーゲンの異常(COL1A1/COL1A2)。常染色体優性の形をとることが多い。
  • 4つの特徴:易骨折性・青色強膜・進行性難聴・歯牙(象牙質)形成不全。
  • 骨癒合自体は比較的良好。問題になるのは変形治癒と再骨折。
  • 薬物治療はビスホスホネート。ステロイドは骨密度を下げるため適さない。
  • 骨折の頻度は思春期以降に減る例が多い。日常生活では転倒予防と、骨に過度な衝撃を与えない運動の継続を指導する。
比較表
コラーゲンの型主な分布異常でおこる代表疾患
Ⅰ型骨、皮膚、腱、強膜、象牙質骨形成不全症、エーラス・ダンロス症候群の一部
Ⅱ型硝子軟骨(関節軟骨)、椎間板髄核、硝子体脊椎骨端異形成症などの軟骨異形成症
Ⅲ型血管壁、細網線維、腸管血管型エーラス・ダンロス症候群
Ⅳ型基底膜アルポート症候群
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