学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §8 疾患別各論 感染性疾患 / QJ30P060

理由で解く 柔道整復師

QJ30P060 整形外科学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問60
問題
骨関節結核で最も多い部位はどれか。
選択肢
1 肩関節
2 脊椎
3 股関節
4 膝関節
解答
正解2(脊椎)
解説

骨関節結核で最も多い部位は脊椎で、脊椎カリエス(ポット病)と呼ばれます。正解は2です。

結核菌は肺の初感染巣から血行性に散布され、血流が豊富で流速が遅い部位に定着しやすい性質があります。脊椎では椎体の海綿骨(とくに前方)に病巣ができ、椎間板を越えて隣接椎体へ広がり、椎体が破壊・圧潰して後彎変形(亀背)を生じます。生じた膿は熱感や発赤に乏しい冷膿瘍で、腸腰筋に沿って流れ落ち鼠径部に腫瘤として現れることがあります(流注膿瘍)。骨関節結核のうち脊椎が約半数を占め、次いで股関節、膝関節の順に多くなります。全身症状は微熱、盗汗、体重減少など緩徐で、化膿性の炎症に比べて経過が長いのが特徴です。

✓ 2. 正しい
脊椎
骨関節結核の中で最も多い部位です。胸腰椎移行部に好発し、椎体前方から発生して椎間板を越えて隣接椎体に及びます。椎体圧潰による亀背、冷膿瘍・流注膿瘍、脊髄圧迫による対麻痺(ポット麻痺)が三つの代表的な病態です。
✗ 1. 誤り
肩関節
肩関節に発生することはまれです。上肢では肘関節のほうが比較的みられますが、いずれも脊椎の頻度には及びません。
✗ 3. 誤り
股関節
脊椎に次いで多い部位で、四肢の関節では代表的ですが最多ではありません。関節破壊が進むと屈曲・内転拘縮を残し、脚長差や跛行の原因になります。
✗ 4. 誤り
膝関節
股関節と並んで四肢では多い部位ですが、脊椎には及びません。腫脹があっても発赤・熱感に乏しく蒼白にみえることから、古くから白腫と呼ばれます。
ポイント
  • 骨関節結核の最多部位は脊椎(脊椎カリエス、ポット病)。次いで股関節、膝関節。
  • 好発は胸腰椎移行部。椎体前方から発生し、椎間板を越えて隣接椎体へ広がる。
  • 三大所見は亀背(後彎変形)、冷膿瘍・流注膿瘍、ポット麻痺(脊髄圧迫による対麻痺)。
  • 膝の結核性関節炎は熱感・発赤に乏しい腫脹=白腫。
  • 全身症状は微熱・盗汗・体重減少と緩徐。長引く関節腫脹では結核も鑑別に入れて医療機関へつなぐ。
比較表
脊椎カリエス(結核性脊椎炎)化膿性脊椎炎
起炎菌結核菌黄色ブドウ球菌など化膿菌
経過緩徐(数か月単位)比較的急速(数日〜数週)
全身症状微熱、盗汗、体重減少高熱、強い炎症反応
病巣の広がり椎体前方から始まり椎間板を越えて広がる椎間板と隣接終板が早期から破壊される
特徴的所見亀背、冷膿瘍・流注膿瘍、ポット麻痺強い局所痛、傍脊椎膿瘍
好発部位胸腰椎移行部腰椎
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