学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §16 脳卒中(救急法) / QJ30P054
理由で解く 柔道整復師
回転性めまい・ふらつき・頭痛という組合せは、平衡と協調運動を司る小脳の出血を疑わせる。
小脳は平衡機能と協調運動の中枢で、上小脳動脈系(歯状核付近)からの出血が典型である。小脳出血の一般的な病像としては、回転性めまい、嘔吐、患側へ倒れる傾向、体幹失調により立てない・歩けない(起立歩行不能)といった症状に、後頭部痛が加わる。錐体路は小脳を通らないため片麻痺は原則として前面に出ず、めまいと平衡障害が主体になるのが特徴である。設問の回転性めまい・ふらつき・頭痛は、この病像の中心にあたる訴えといえる。注意すべきは経過で、血腫が増大すると第四脳室が圧迫されて急性水頭症を来したり、脳幹が直接圧迫されて意識障害や呼吸障害に至る。このため血腫径がおよそ3 cmを超える例や脳幹圧迫のある例では、緊急の血腫除去術や脳室ドレナージが検討される。施術所でこうした症状を訴える人に出会ったら、施術を行わず、直ちに救急要請して医療機関へつなぐ。
| 部位 | 主な症状 | 眼球所見 |
|---|---|---|
| 被殻 | 反対側の片麻痺・感覚障害(脳内出血で最多) | 病巣側への共同偏視 |
| 視床 | 反対側の感覚障害が強い | 内下方への共同偏視 |
| 小脳 | 回転性めまい、嘔吐、後頭部痛、起立歩行不能。片麻痺は目立たない | 眼振 |
| 橋 | 意識障害、四肢麻痺、高熱 | 両側の著明な縮瞳 |
| くも膜下腔(くも膜下出血) | 突然の激しい頭痛、嘔吐、項部硬直(脳実質外の出血) | ― |
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