学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §16 脳卒中(救急法) / QJ26P050

理由で解く 柔道整復師

QJ26P050 外科学概論

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午後 問50
問題
脳卒中の初期症状で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 橋出血-呼吸異常
2 被殻出血片麻痺
3 小脳出血回転性めまい
4 くも膜下出血・眼振
解答
正解4(くも膜下出血・眼振)
解説

くも膜下出血の初発症状は「これまで経験したことのない突然の激しい頭痛」である。眼振は小脳や脳幹の病変を示す徴候で、くも膜下出血の初期症状として代表的ではない。

脳卒中は出血・梗塞の部位によって最初に出る症状が決まるので、部位と症状の対応で覚える。被殻出血は内包に隣接するため対側の片麻痺・感覚障害が前面に出て、病巣側を見る共同偏視を伴う。視床出血は対側の感覚障害が優位で、両眼が内下方を向く(鼻先を見るような)偏視が特徴。橋出血は意識障害、両側の高度な縮瞳(pinpoint pupil)、四肢麻痺、失調性呼吸などの呼吸異常、高体温を呈し重篤である。小脳出血は突然の後頭部痛・回転性めまい・嘔吐と起立歩行不能が中心で、片麻痺は伴わない。くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂によることが多く、突然の激烈な頭痛、嘔吐、一過性の意識消失、項部硬直(発症直後は明らかでないこともある)を示す。施術中に突然の激しい頭痛、片麻痺、呂律が回らないなどの症状が出たら、施術を中止して直ちに救急要請し、発症時刻を記録して引き継ぐ。

✓ 4. これが答え(誤っている組合せ)
くも膜下出血・眼振
くも膜下出血の初期症状は突然の激しい頭痛・嘔吐・意識消失・項部硬直であり、眼振は典型的ではない。眼振は小脳や脳幹(前庭系)の障害でみられる徴候である。
✗ 1. 正しい組合せ(答えではない)
橋出血-呼吸異常
「橋出血-呼吸異常」の組合せ。橋には呼吸調節にかかわる中枢があり、出血すると失調性呼吸などの呼吸異常をきたす。両側縮瞳・四肢麻痺・意識障害・高体温を伴い、予後は不良である。
✗ 2. 正しい組合せ(答えではない)
被殻出血片麻痺
「被殻出血-片麻痺」の組合せ。被殻出血は脳出血で最も多く、隣接する内包の錐体路が障害されて対側の片麻痺が生じる。病巣側への共同偏視も特徴。
✗ 3. 正しい組合せ(答えではない)
小脳出血回転性めまい
「小脳出血-回転性めまい」の組合せ。小脳は平衡と協調運動を司るため、出血すると回転性めまい・嘔吐・後頭部痛・起立歩行不能が起こる。片麻痺を伴わない点が被殻出血との鑑別になる。
ポイント
  • 被殻出血:脳出血で最多。対側の片麻痺・感覚障害、病巣側への共同偏視。
  • 視床出血:対側の感覚障害が優位、両眼の内下方偏視。
  • 橋出血:意識障害、両側の高度縮瞳(pinpoint pupil)、四肢麻痺、呼吸異常、高体温。
  • 小脳出血:後頭部痛、回転性めまい、嘔吐、起立歩行不能。片麻痺は伴わない。
  • くも膜下出血:突然の激しい頭痛、嘔吐、意識消失、項部硬直。眼振は特徴的でない。突然の頭痛は救急要請の合図と考える。
比較表
部位特徴的な初期症状瞳孔・眼位
被殻出血対側の片麻痺・感覚障害病巣側への共同偏視
視床出血対側の感覚障害が優位内下方偏視、縮瞳
橋出血意識障害、四肢麻痺、呼吸異常、高体温両側の高度縮瞳(pinpoint pupil)
小脳出血回転性めまい、嘔吐、後頭部痛、起立歩行不能(片麻痺なし)健側への共同偏視、眼振
くも膜下出血突然の激しい頭痛、嘔吐、意識消失、項部硬直動脈瘤の部位により動眼神経麻痺(散瞳)を伴うことがある
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